犬塚弘さんはなぜ役者として花開いたのか?
2023年10月28日 05:07
芸能
1960年代後半に入ってメンバーそれぞれがソロ活動にも力を入れるようになると、映画「無責任シリーズ」などで培ってきた役者への道を本格的に志すようになった。それまで喜劇中心だった活躍の場を、本来の生真面目な性格を生かすシリアス劇へと移し、映画、テレビドラマだけでなく、劇作家、井上ひさしさんの「きらめく星座」など、演劇作品でも名脇役として存在感を示すよ
うになった。
ただ、演技派俳優として確固たる地位を築いた後も「解散なんかしてません。みんな死んじゃっただけで」とクレージーのメンバーであることには最後までこだわりを持っていた。メンバー7人全員がそろった88年の映画「会社物語」には舞台への出演を断って参加し、主演のハナさんを支えた。のちに犬塚さんは「全員が集まる時は必ずやると決めていたから。やっぱり愛情がある。古里へ帰ってきたような気がするんだ」と語っている。