男女逆転「大奥2」仲間由紀恵が“新境地”悪役起用のワケ 番組CPも治済役怪演を大絶賛「原作以上」確信
2023年10月31日 22:45
芸能
原作は漫画家・よしながふみ氏の同名人気作。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを紡ぎ、センセーションを巻き起こした。
過去計3度、ドラマ化&映画化されたが、今回は幕末・大政奉還まで初めて映像化。2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も手掛ける森下佳子氏が、今年1~3月の「Season1」(全10話)に続いて脚本を担当。8代・吉宗の遺志を継ぐ若き蘭方医たちが謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅の道を切り拓く姿、開国・攘夷・大政奉還・江戸城無血開城という激動の時代を描く。大筋は原作通りのストーリー展開だが、ドラマは「医療編」「幕末編」と銘打つ。
治済は8代将軍・吉宗(Season1・冨永愛)の孫。母と姉を毒殺し一橋家当主となり、10代将軍・家治(高田夏帆)の時代に老中・田沼意次(松下奈緒)を失脚させ、本草学者・平賀源内(鈴木杏)蘭方医・青沼(村雨辰剛)を死に追いやった。その後、家治を“毒殺”し、長男・家斉(中村蒼)を11代将軍に就け、自身が実権を握るように。第14話(10月24日)では、付き人・武女(佐藤江梨子)に毒を笑顔で差し出し、苦しむ姿に楽しそうな眼差しを向ける“サイコパス”ぶり。さらに自身の孫である総姫と敦之助に「毒入り菓子」を贈り、死に追いやった上に「これが天下ってやつみたい。思ったより退屈」と発言するなど、非情で冷酷な人物。仲間は“キャリア史上最高”の難役を見事に演じ切った。
世のために貢献し続けた天才学者や、未来ある幼子を次々と死に追いやった治済だが、第15話、ついに総姫の母・滝沢(お志賀の方)(佐津川愛美)と敦之助の母・御台(茂姫)(蓮佛美沙子)の“敵討ち”に遭い、壮絶な最期を迎えた。
仲間と言えば、日本テレビ「ごくせん」シリーズの熱血教師・ヤンクミ役、テレビ朝日「TRICK」シリーズの自称天才マジシャン・山田奈緒子役、NHK大河ドラマ「功名が辻」(2006年)の千代など、前向きで真っすぐな、明るい役柄のイメージが強かった。フジテレビ「美しい隣人」(11年)でも悪役を演じたが、今回はそれを“更新”。清純派、コメディエンヌの印象を一新し、視聴者を恐怖のどん底に陥れた、
起用理由について、藤並CPは「仲間さんのお芝居の奥深さやキャラクターへの信頼」と即答。プロデューサーの1人として昨年度前期の連続テレビ小説「ちむどんどん」でもタッグを組んでいただけに「『治済』は難しい役ですが、やっていだだけると確信した」と絶大な信頼を明かした。
「ちむどんどん」で演じた「優しい母」を覆す役どころとなったが「180度違う冷徹さや、底知れぬ闇を表現していただいた」と絶賛。仲間は治済役について「これまでの役者人生の中で、最難関かもしれません」と語っていたほどだが、オファー時の様子については「やりがいをもって受けていただいた。なかなかないキャラクターの役で、時代劇も久しぶりで楽しみ」との反応だったという。
不穏な笑みと闇を抱えるような眼差しで“原作を超えるの悪役”を印象づけた仲間。藤並CPは「原作とはまた違う、仲間さんが本来持つ優しさを出しつつ、底知れぬ闇も表現して、イメージを構築してもらった。原作の治済に忠実かつ、仲間さんが肉体化し、深みが出た。最初のシーンを見て“これは原作以上のキャラクターになるんじゃないか”と思った」と手応えを明かした。