神木隆之介 役者廃業しても見据える次の人生 既に根回し済み「心の安定材料になっている」
2023年11月03日 19:20
芸能
2012年に映画「桐島、部活やめるってよ」に出演。高校を舞台に、生徒たちが思い悩むことが等身大で描かれたこの作品を、神木は高校卒業後に試写会で見たという。「将来のことちゃんと考えている?って言われちゃった気がして」。作品を通じ、自分の人生を問われた感覚に陥ったといい、「学生の時って、学校が用意してくれた道筋があるじゃないですか?学校生活においての。それが全部なくなるので、何したらいいのか自由し、何してもいいしというのが、すごく不安だったこともありました」。その時には俳優を続ける覚悟を決めたものの、その決断がその後、自身を苦しめたという。
それは25歳ごろのことだった。「これしかないと思うと、ここで失敗したら人生が終わるんですよね、と思っちゃう。他にこの世の中っていろんな職業、いろんな会社があるし、生きていく“すべ”っていっぱいある。でも僕はこのお仕事しかやってこなかったので、これしかないと思った。もしも何か失敗するようなことがあったら、死に等しいと思った。人生が終わると思った」。楽しかった芝居にも、恐怖を感じ、新たな挑戦もできない状態に陥ったという。
そんな精神状況で響いたのが、母の言葉だった。「世間からは役者としての神木隆之介かもしれないけど、私にとっては1人のただの息子。だから、親の願いは、息子のあなたが笑って生きていけていければそれでいい。職業も何も関係なく、仕事をしていなくても、笑顔で生きている。それが私の幸せだ」。神木はこのアドバイスで、縛られていた覚悟から解き放たれたといい、「やっぱりやめてもいいんだって。大きかった」と感謝した。
役者以外の人生にも飛び込める気持ちを持った神木は、会社員の友人にも相談。「やるべきことは、いつやめても次の就職先が確保されるように、いろんなところに根回しというところにいきます」と、まさかの発想の転換に行き着いたという。
さらに「親友にも、親友の上司にもそうお伝え下さいというので、了承を得ていますから。“仕事なくなったら入れさせてね”と」と、既に役者廃業後の道も確保しているという。これが精神にいい影響を及ぼしているようで、「“いいよ”と言ってくれるだけでも心の安定材料になっている。だから今も新しいことに挑戦もできますし、以前の25歳の自分なら挑戦もできなかった。失敗したら終わりなので」とも明かしていた。