古川雄大 初時代劇は「刺激的だった」 男女逆転「大奥2」で“大役”瀧山演じ「今作に出演できる喜び」

2023年11月07日 23:10

芸能

古川雄大 初時代劇は「刺激的だった」 男女逆転「大奥2」で“大役”瀧山演じ「今作に出演できる喜び」
ドラマ10「大奥 Season2」瀧山(古川雄大)(C)NHK Photo By 提供写真
 “男女逆転の大奥”を描くNHKドラマ10「大奥 Season2」(火曜後10・00)は16日、「幕末編」第16話(Season1から通算)が放送された。「医療編」が終了し、ついに幕を開けた「幕末編」。“最後の大奥総取締”瀧山を演じる俳優・古川雄大(35)がスポニチアネックスの取材に対し、物語への思いを明かした。
 原作は漫画家・よしながふみ氏の同名人気作。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを紡ぎ、センセーションを巻き起こした。

 過去計3度、ドラマ化&映画化されたが、今回は幕末・大政奉還まで初めて映像化。2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も手掛ける森下佳子氏が、今年1~3月の「Season1」(全10話)に続いて脚本を担当。8代・吉宗の遺志を継ぐ若き蘭方医たちが謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅の道を切り拓く姿、開国・攘夷・大政奉還・江戸城無血開城という激動の時代を描く。大筋は原作通りのストーリー展開だが、ドラマは「医療編」「幕末編」と銘打つ。10月にスタートした「Season2」では、初回からSNSトレンド入りの大反響を呼んだ。

 古川演じる大奥総取締・瀧山は、もともとは芳町の陰間で、美しく整った容姿をしている青年。年季明けは学問に励み、自分のやりたいことが自由にできるようになる日を夢見ていたところ、阿部正弘(瀧内公美)に見いだされ、13代将軍・徳川家定(愛希れいか)に仕えるため大奥入りする。持ち前の器量と権勢を発揮し、大奥の男たちを束ねていく…という役どころ。

 瀧山は、幕末へ向けた物語のキーパーソンとなる。古川は、瀧山役のオファーを受けた際は「びっくりしました」と率直な感想を回顧。「Season1が大好評だったと聞いておりましたし、僕は時代劇をやったことがなくて…」と、時代劇初挑戦への不安も抱えていたと振り返った。

 古川は、今回のオファーについて「これまでに出演してきた舞台では、これまで洋風な役が多かった。『和のもの』は自分には似合わないのかな…なんて、勝手に思い込んでいたこともあったんです。時代劇の話をいただけたときは驚きました」と驚きを口に。 「Season1」を見た感想については「シーズン1を、ドラマファンとして拝見していたので、よしながさんの原作で描かれる人間ドラマに強い感銘を受けました」といい「自分がこの役を全うできるのかなという不安もありましたが、出演できる喜びを心から感じています」と喜びいっぱいに語った。そして「大奥への出演はとても大きなチャンス」とし「精一杯頑張りたいと思いました」と、出演を決意した当時の思いを明かした。

 「大奥」の印象については「全てにおいて、切ない物語」と吐露。「さまざまな愛の形があって、それを乗り越えていく人間模様というのが、視聴者の心に刺さるのだなと感じました」と感想を述べ、「人の思いというのは、蓄積されていくのだなと凄く感じています。受け継がれていく思いを、まさにリアルに感じました」と述懐。「撮影のたびに、悲しみを感じたり、喜びに浸る瞬間とかがあったりしながら、鮮明にそのシーンが頭の中に浮かんでいました」と、物語を自身の人生に投影しながら演じきった。

 瀧山の人柄については「起こっていることを受け止めながら、翻弄されていくという節がある。ちょっとプライドが高く、負けん気も強い。瀧山の持つ、ユニークさを感じながら演じられたらいいなと思いました」といい、「基本的に目力のある人だと思います。目力に現れるよう、なるべくまっすぐな視線を意識しました」と演技のポイントを説明。“男女逆転劇”という、世界観そのものがフィクションな設定だけに「原作を何度も読んで、照らし合わせて理解していきました」と振り返った。

 古川にとっては、初めての時代劇。苦労した点について「セリフが入らないな…って(笑)」と即答し「凄く難しかったですね。撮影に入る前に、『Season1』に出演されていた斉藤由貴さんと共演する機会がありまして。いろいろとお話を伺った上で、できる限りの事前準備をして挑んだのですが…それでも最初のシーンで何度かNGを出してしまいました」と、エピソードを告白。「その時代特有の言葉使いもとても難しかったですし、所作も意識しなければいけない。さらに感情が追いつくようにしなければいけない。ひと手間二手間が、普通のお芝居と違うなと思い勉強になりました」と、時代劇の難しさを口にした。

 さらに、全てが初めての体験だったため、「上様に対して、固くとらえていた部分があって…演技について“もうちょっとラフで”とご指摘をいただきました」と打ち明け「時代劇というものに強くイメージを持ちすぎていたので、瀧山の良さを出しきれていなかった」と、撮影スタッフと二人三脚で『瀧山』を創り上げた。

 撮影現場の雰囲気については「刺激的な現場でした」と即答。「みなさん作品に対する愛情とこだわりを強く持っていて。みなさまに負けないように…と思いながら挑みました」と回顧し、「まだ、緊張感はありますね。毎日が凄く刺激的です」と目を輝かせた。

 瀧山は、阿部正弘との出会いをきっかけに、陰間から大奥総取締と上りつめる。「ひとつの出会いが180度人生を変えてしまう、夢がありますが、私自身も同じような経験があります」と瀧山の人生に共感し、「人と人との出会いの大切さ、そしてそれが自分の人生をも変えていく。『大奥』の物語は、つながりがテーマ。人を思うこと、人と接して生きていく、そういうものを瀧山はリアルに感じている人だなと思いますし、つらい別れも乗り越えて生きていく人」と説明。逆転しつつも、「男女の役割」が明確とされている物語については、「現代でも『ジェンダー』はテーマになっていますよね。答えは見えませんが…昔は特に、男女格差が現代とは比にならないくらい厳しいものだったと思います」とした上で「この時代のジェンダーにスポットを当てることで、視聴者の方にも、ジェンダーの問題をリアルに感じていただけるのかな。フィクションの物語ですが、『大奥』の終わり方も、最後は妙にリアルというか…本当にこうだったのかな、こうだったかもしれない、こうだったらいいな、と思えるような終わり方になっています」と自身の感想を述べ「最後のリアルさが、現代に生きる人々へ、男女の役割というものを問いかけることが出来るのではないかなと思います。この時代にスポットを当てて描かれるのは、とても素敵だなと思いました」と作品への思いを込めた。
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