中村メイコ 家に泊めた美空ひばりさんからの驚きの一言「一睡もできなかった」
2023年11月07日 16:59
芸能
2歳下のひばりさんとは、初対面では意見がかみ合わなかったという。雑誌の対談で、中村は当時18歳、ひばりさんは16歳。「“ひばりちゃん、私たちだって普通の女の子みたいにお休みも欲しいし、普通のことしたいわね?”って、メイコちゃんは言ったわけです」。遊びたい盛りに仕事に追われる境遇を分かち合うため、こう呼びかけたという。
ところが、ひばりさんの返答は想像したものとは違った。「“私はそうは思わないわ?”って。私、“はい?”って言いました。“だって私たちは夢を売る商売ですからね?ファンの方が嫌だと思うことは我慢しなくちゃね”って」。中村は「何だい?こいつは」と思いながらも、16歳とは思えない自己犠牲の精神と、自らに課された宿命を口にするひばりさんに、「年下なのにびっくりしちゃって」と感心したという。
ある時、中村の家にひばりさんが泊まりに来た逸話も明かした。当時、中村はまだ新婚。家にはダブルベッドが1つしかなく、3人で同じベッドに寝ることに。通常、夫と女性の友人は離れて寝るのが暗黙の了解だが、中村によるとひばりさんは、真ん中で寝ると言って聞かなかったという。「“私はセンターに決まってる”って言うんですよ?あの声で。“美空ひばりは常にセンター”って」と明かし、「一睡もできなかった」と苦笑いした。
晩年は闘病生活を送ったひばりさん。中村は「あの人は本当にしんが強いというか。痛いとか苦しいとか、どうしようとか、一言も言わなかった」と、その立派な闘病ぶりを振り返った。
亡くなった後、ひばりさんの元に駆けつけると、お付きの人から「泣き虫メイコに」と書かれたひばりさん自筆の手紙と、ある品を渡されたという。「私のサングラスと、いつか私が忘れていったハンカチーフがきれいに洗ってあって、泣き虫メイコにこれを渡してねって。悲しいでしょう…?」。そう話すと、中村は下を向いて、悲しみを新たにしていた。