菅井八段 藤井王将挑戦へ2番手維持 豊島九段を112手で下す 「一石四鳥」の飛車打ちから優勢を自覚
2023年11月07日 20:00
芸能
55手目、▲9五歩とお互い王に近いサイドの端攻めを仕掛けられたが、菅井は△5四銀に▲5一竜の竜斬りを催促。自身は飛車の成り込みに成功し、さらに72手目△9四飛と狭い空間へ大駒を設置して「もしかしてペースかと思った。それまでは自信がなかった」と優勢を自覚した。
端攻めの補強であるばかりでなく、豊島からの▲7四桂も▲9四桂も防ぎ、同時に角獲りでもある「一石四鳥」の飛車打ちから優勢に入り、そのまま押し切った。終局後、豊島は駒台から69手目▲6四角と美濃囲いの急所へ放った角打ちを後悔した。「▲6四角に△5二金直で全然ダメにした」。手順に菅井陣の強化を許し、差を広げられた。
菅井が2勝1敗、豊島は2勝2敗で臨んだこの日。敗退は挑戦権争いからの脱落を意味した。
菅井は5月に1勝3敗で藤井に屈した第8期叡王戦5番勝負以来のタイトル戦へ踏み止まった。次局は10日の佐々木勇気八段戦。「あまり気にせず頑張ろうかなと思います」と挑戦権争いを見据えた。