菅井八段 藤井王将挑戦へ2番手維持 豊島九段を112手で下す 「一石四鳥」の飛車打ちから優勢を自覚

2023年11月07日 20:00

芸能

菅井八段 藤井王将挑戦へ2番手維持 豊島九段を112手で下す 「一石四鳥」の飛車打ちから優勢を自覚
豊島九段(右)に勝利した菅井八段(撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 将棋の第73期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は7日、大阪市福島区の関西将棋会館で挑戦者決定リーグの豊島将之九段(33)と菅井竜也八段(31)による対局が行われ、菅井が112手で勝利した。菅井は3勝1敗とし、藤井聡太王将(21)=名人、竜王、王位、叡王、王座、棋王、棋聖含む8冠=への挑戦権争いは4勝0敗で単独首位の永瀬拓矢九段(31)を追う2番手を維持した。
 戦型は後手菅井の三間飛車。40手目、豊島の右銀に△4五歩と突っかけた。40分近い長考で▲同銀と強く応じた豊島にさらに△3三桂。その後、十字飛車をかけられて飛成りを許したが、対価として銀得に成功した。

 55手目、▲9五歩とお互い王に近いサイドの端攻めを仕掛けられたが、菅井は△5四銀に▲5一竜の竜斬りを催促。自身は飛車の成り込みに成功し、さらに72手目△9四飛と狭い空間へ大駒を設置して「もしかしてペースかと思った。それまでは自信がなかった」と優勢を自覚した。

 端攻めの補強であるばかりでなく、豊島からの▲7四桂も▲9四桂も防ぎ、同時に角獲りでもある「一石四鳥」の飛車打ちから優勢に入り、そのまま押し切った。終局後、豊島は駒台から69手目▲6四角と美濃囲いの急所へ放った角打ちを後悔した。「▲6四角に△5二金直で全然ダメにした」。手順に菅井陣の強化を許し、差を広げられた。

 菅井が2勝1敗、豊島は2勝2敗で臨んだこの日。敗退は挑戦権争いからの脱落を意味した。

 菅井は5月に1勝3敗で藤井に屈した第8期叡王戦5番勝負以来のタイトル戦へ踏み止まった。次局は10日の佐々木勇気八段戦。「あまり気にせず頑張ろうかなと思います」と挑戦権争いを見据えた。
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