宝塚歌劇団員転落死問題 劇団が近日中に外部弁護士による調査結果公表へ、遺族は上級生のパワハラ主張
2023年11月13日 09:48
芸能
この問題を巡っては、転落死した劇団員の遺族の代理人弁護士が10日、東京都内で記者会見し「過重な業務や上級生劇団員のパワハラによって心身の健康を損ない、自殺に至った」と訴えた。「将来ある女性が命を奪われたことは極めて重大だ」と強調。今後、歌劇団や運営する阪急電鉄と話し合った上で謝罪と補償を求めるとしている。
代理人の川人博弁護士によると、女性は入団7年目で宙組に所属。2023年度から下級生劇団員のまとめ役の一人となり、演技指導や衣装の準備といった業務に追われ、1日の睡眠が3時間ほどの日が続いた。稽古中には「下級生の失敗は全てあんたのせいや」「うそつき野郎」などと怒号を浴びせられたとしている。また、21年8月には上級生からへアアイロンを額に当てられやけどを負った。この件が23年2月に週刊誌で報道された際、歌劇団側は事実無根との声明を発表。女性は精神的負荷を受け、体調を崩すようになった。
労働時間に関しては23年8~9月は約1カ月半の連続勤務をし、亡くなるまでの約1カ月間の時間外労働を推計すると「過労死ライン」を大幅に超える約277時間に上った。形式上は歌劇団と出演契約を結ぶフリーランスだが、指示に従う立場で事実上の労働契約だと川人氏は指摘。歌劇団に安全配慮義務があったとしている。