NHK異例の発表　紅白出演者への人権尊重ガイドライン7項目「性的搾取、性的虐待を排除」など順守を宣言

　NHKは13日、大みそかの「第74回紅白歌合戦」（後7・20～11・45）に関し「出演者に対する人権尊重のガイドライン」を発表した。「性的搾取、性的虐待を排除」「いかなる理由による差別も認めない」など、7項目を掲げる異例の対応。「NHKは『第74回NHK紅白歌合戦』の制作にあたっては、ガイドラインを順守します」と宣言した。 　理由について、制作統括の大塚信広チーフ・プロデューサーは「紅白の判断ではなく、NHKの判断」「一連の流れを受けて」と説明。旧ジャニーズ事務所（現「SMILE―UP.）の故ジャニー喜多川元社長による性加害問題が背景にあると明かした。

　また、今後、旧ジャニーズ事務所の補償が確認された場合の追加キャストの可能性については「NHK全体の方針に沿って、問題ないと判断した場合は状況を見て判断する。今後、名前のないアーティストも交渉の可能性はある」とした。

　「第74回NHK紅白歌合戦の出演者に対する人権尊重のガイドライン」は以下の通り。

　・人権、人格を尊重し、コンテンツ制作のあらゆる段階で、誰もが十分に能力を発揮できる規律ある制作現場を目指します。出演者に対する性的搾取、性的虐待を排除し、悪質な嫌がらせや差別的または攻撃的な行動を認めません。

　・制作現場において、人種、民族、国籍、宗教、障害、政治的思想、性別、年齢、ジェンダーなどいかなる理由による差別も認めません。

　・強制労働など人権を侵害する労働慣行は認めません。

　・子どもの人権を尊重し、児童労働や児童虐待を認めません。未成年の出演者については、労働基準法など関係法令・法規を順守します。

　・出演者1人ひとりの心身の健康に配慮し、安心・安全な環境の確保に努めます。

　・NHKのすべての役職員は、出演者の人権を尊重します。

　・芸能事務所など出演者に関係するすべての取引先に対しても、本ガイドラインへの賛同を求めます。