若一光司氏 宝塚報告書に苦言「一つの法律事務所に丸投げ」「OG聞き取り1人だけ」「真摯さ見えない」

2023年11月15日 18:17

芸能

若一光司氏 宝塚報告書に苦言「一つの法律事務所に丸投げ」「OG聞き取り1人だけ」「真摯さ見えない」
若一光司氏(読売テレビ「かんさい情報ネットten.」公式サイトより)
 作家で画家の若一光司氏(73)が15日、読売テレビ「かんさい情報ネットten.」に出演。タカラジェンヌの転落死をめぐる問題について語った。
 9月30日に宝塚宙組に所属する女性(25)が急死。遺族側は宙組内でいじめやパワハラがあったと訴えている。14日、宝塚歌劇団は会見を開き、外部弁護士による調査チームの報告書を公開。いじめやパワハラを否定し、女性は長時間労働などによる強い心理的負荷がかかっていたとした。

 外部弁護士9人による調査は、宙組62人、元劇団員1人、職員、遺族および同代理人に行い、のべ1500時間に及んだという。だが宙組生4人がヒアリングを辞退したことが明らかに。その理由について歌劇団側は口をつぐみ、報告書の信頼性に疑問の声も上がっている。

 亀井正貴弁護士は「100年以上の歴史がある宝塚の体質も含めて明らかにするには、1カ月の調査では足りない。最低3カ月は必要。他の組の劇団員やOGなど広くヒアリングする必要があるのでは」とした。

 若一氏は、「どんな弁護士が調査したか気になって調べると、9人の弁護士は全員、大阪で最大級の法律事務所のメンバーです。調査を一つの法律事務所に丸投げしたと言わざるをえない体制」と評した。

 また、「OGは1人だけしか聞き取り対象になっていない。内部の人たちは、これだけ強烈な上下関係、支配関係のヒエラルキーが存在すれば、本当のことを言えるはずがない」と指摘。「いじめが発生するような伝統的な土壌があったかどうかは、もっと自由に発言できる退団した人たちからヒアリングするべき。それをほとんどやっていない」と苦言を呈した。

 今回の報告書について「何度熟読しても、本当に真剣に真実を調査しようという意欲も真摯さも見えてこない。はっきり言えば、やる必要のない調査でしかない」と厳しい口調で語った。

 遺族側も14日に会見を開き、歌劇団側の報告書の内容について、パワハラではなく指導の範囲内との評価は一時代前の価値観と反論。主張は食い違う。

 若一氏は「ご遺族は現段階では裁判に訴えていない。あくまで要請として劇団に謝罪を求めている。その意…思いやりをくむべき。この対応を劇団が繰り返すなら、ご遺族は訴訟に踏み切らざるをえない。損害賠償訴訟のみならず、場合によっては刑事事件の告発にもつながる」と警告した。 
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