安田菜津紀氏 旧ジャニの声明“被害証言の中に虚偽が”に「被害を訴え出ている側への誹謗中傷をさらに…」

2023年11月19日 09:32

芸能

安田菜津紀氏 旧ジャニの声明“被害証言の中に虚偽が”に「被害を訴え出ている側への誹謗中傷をさらに…」
東京・赤坂のTBS社屋 Photo By スポニチ
 フォトジャーナリストで海外、日本で貧困や災害、難民問題を取材している安田菜津紀氏が19日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。ジャニーズ事務所が10月、公式サイトで「故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて」と題した声明を発表し、「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数ある」とし、報道各社へ「十分な検証」を要望したことに言及した。
 これについて、MCを務める関口宏が「聞くところによると、誹謗中傷で被害者がまた出ているという噂も聞きますよね」とコメントする中、安田氏は、大みそかのNHK紅白歌合戦にSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)アーティストの名前がなかったことについて聞かれ「メディアがこのように単に距離を取るということだけではなくて、メディアがどのように暴力行為に加担したのかということを検証して再発防止をしていくということも不可欠だと思う」と話した。

 そして、「もう1つ、今向き合わなければならない問題として、被害を訴え出ている側への誹謗中傷が非常に深刻ですよね。例えばネット上でうそつき呼ばわりをされてしまったり、被害者ビジネスだと言われたり、つまりお金目当てで声を上げているんでしょ、という中傷」と言い、「大前提として、何か暴力だったり人権侵害を受けた側というのは、補償を求める権利があるわけですよね。ただ今の社会では到底それでは追いつかないといいますか、見合わないほどの激しい誹謗中傷のリスクを背負ってでしか声を上げることができないという不条理がある」と指摘した。

 そのうえで、「その点に関して言えば、今年の10月に旧ジャニーズ事務所が、これまで報じられてきた被害証言の中に虚偽のものが含まれているのではないか、という声明を出している。でもこれって、まだまだ明るみになっていないような被害が無数にあるであろう状況下で、根拠も示さずにこういう声明を出してしまうということによって、被害者が委縮させるだけでなく、被害を訴え出ている側への誹謗中傷をさらに激化させてしまったのではないかという点も責任を問われるべきだと思う」と言い、「これは命にかかわる問題なんだという前提で向き合っていかなければならないところですよね」と自身の考えを述べた。

 ジャニー喜多川氏による性加害を訴えている人を巡っては、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属する大阪市の40代男性が大阪府内で死亡していたことが14日、判明。自殺とみられる。男性の遺族側はコメントを公表。男性の遺族は、「(旧ジャニーズ)事務所からは応答もなく(訴えを)放置され、彼の焦燥感、悩みは深まっていました」「(同事務所は誹謗中傷に)具体的な措置を講じていませんでした。心労は、性被害のトラウマの再燃とも相まって、一層深刻なものになっていました」とした。

 旧ジャニーズ事務所は、本紙の取材に「謹んでお悔やみ申し上げる。ご遺族に誠心誠意対話させていただく。被害者や家族への誹謗中傷は絶対にやめていただくよう発信に努める」と回答している。
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