元埼玉県警・佐々木氏 私人逮捕系ユーチューバーに「事件つくることは違法」「現行犯つくるものではない」

2023年11月21日 13:19

芸能

元埼玉県警・佐々木氏 私人逮捕系ユーチューバーに「事件つくることは違法」「現行犯つくるものではない」
東京・赤坂のTBS社屋 Photo By スポニチ
 元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏が21日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。私人逮捕系ユーチューバーの逮捕にコメントした。
 警視庁は20日、覚醒剤を共に所持したいとインターネット上で知り合った男をそそのかしたとして、覚醒剤取締法違反(所持)の教唆疑いで、「私人逮捕」をうたうユーチューバー、今野蓮容疑者(30)、奥村路丈容疑者(28)の2人を逮捕した。警視庁によると、覚醒剤を持っている相手をおびき出し、110番して警察官が逮捕する様子を動画撮影してユーチューブに投稿していた。

 2人はユーチューブチャンネル「ガッツch(チャンネル)」を運営。盗撮や痴漢をしたとして一般人を取り押さえる動画なども投稿していた。逮捕容疑は共謀して8月、ネット掲示板で女性を装って知り合った男に、秘匿性の高い通信アプリで「覚醒剤を一緒に使いたい」とメッセージを送信。横浜市で覚醒剤を購入し、待ち合わせ場所の新宿駅前(新宿区)に持ってくるようそそのかした疑い。男は覚醒剤取締法違反容疑で現行犯逮捕され、その後起訴された。

 佐々木氏は「私人逮捕は正当な行為なんですよ。治安を維持する上では正当な行為なんですが、治安を維持するための私人逮捕は必要なんですけど、私人逮捕するために事件をつくることはやはり違法」とし「目的の手段が変わってきてるのが私人逮捕系ユーチューバーの特徴なんだなって感じてます」と述べた。

 また、私人逮捕ができるケースとして「現行犯」、つまり何かしらの事件に遭遇した場合や「準現行犯」、周囲から犯人とされる人物が逃走している場合と説明。その上で「現行犯はつくるものではない。その場で遭遇した事件で現認した場合は私人逮捕が出来る。今回のように事件をつくるような、おとり捜査をすることは一般人は許されない」と言い切った。

 そして「警察官でさえ、おとり捜査が違法になることが多いんです。おとり捜査で事件をつくるって行為は認めてはいけない」とした。

 また、「メディアとYouTubeの大きな違いってファクトチェックとコンプライアンス。これがチェックされてない動画がどんどん上がっていくのがYouTube。そういったものが認められていくなかで 違法性も多い」と指摘。「違法性のある動画が流れている以上、警察は立件していくと思う」と語った。
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