桐生市の生活保護“毎日1000円”手渡し 専門家「これはもう生存権の侵害と言わざるを得ない」

2023年11月23日 08:31

芸能

桐生市の生活保護“毎日1000円”手渡し 専門家「これはもう生存権の侵害と言わざるを得ない」
フジテレビ社屋 Photo By スポニチ
 公的扶助論が専門の花園大・吉永純教授が23日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)にVTR出演。群馬県桐生市が同市の50代男性に生活保護費をまとめて支給せず、1日1000円ずつ手渡ししていたとして、群馬司法書士会が市に改善を要請したことについて言及した。
 群馬司法書士会によると、心不全や糖尿病を患い職を失った男性は7月に生活保護を申請し、8月から受給が決まった。市は男性に毎日市役所に来るよう求め、月―木曜は1000円、金曜は週末分を合わせた3000円を窓口で手渡ししていた。本来は月約7万円が支給されるのに、計3万円程度しか受け取っておらず、未支給分があることも説明されていなかったという。男性は10月に司法書士とともに市福祉事務所を訪れ、未支給分の約13万円を受け取った。

 要請書は「生活保護法や憲法に反するもので、責任は甚大」などと指摘した。市福祉課は「個別具体的なケースについては答えられない。社会復帰を目指した生活指導の一環で、本人の同意を得て適正に行っているが、説明責任が果たせていなかった。今後は口頭ではなく書面でかわすようにしたい」としている。厚生労働省保護課によると、生活保護費の支給方法に規定はないが、1カ月分をまとめて支給するのが一般的という。

 吉永氏は「(桐生市の対応は)ちょっとおかしなやり方なので非常に違法性は高いと思います。これはもう生存権の侵害と言わざるを得ないと思います」とし、「国が決めている1カ月の生活費の半額程度しか渡さず保留する根拠はない。違法性が高い」とコメントした。
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