永瀬九段 開幕4連勝も最後の2局で無念の連敗「一戦一戦、全力を尽くせた」

2023年11月23日 05:07

芸能

永瀬九段 開幕4連勝も最後の2局で無念の連敗「一戦一戦、全力を尽くせた」
感想戦を行う永瀬九段(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 将棋の第73期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグの最終一斉対局は22日、東京都渋谷区の将棋会館で3局を行い、菅井竜也八段(31)が近藤誠也七段(27)を下して藤井聡太王将(21)=8冠=への挑戦を決めた。菅井と同じ4勝1敗で臨んだ永瀬拓矢九段(31)は佐々木勇気八段(29)に敗れた。
 投了後のインタビューで菅井の勝利を知らされた永瀬九段は「あ、はい」と小さくうなずいた。開幕4連勝と好調に飛ばし、3期ぶり2度目の挑戦権に最も近い位置にいながら、最後の2局は無念の連敗。「一戦一戦、全力を尽くせたと思います」と悔しさをかみしめながらも明瞭な口調で振り返った。

 勝機は確かにあった。角換わり腰掛け銀の陣形で、午前中は消費時間わずか3分で65手まで進行し「予定通りでした」と明かす。もはやトレードマークとなった前半の超早指し。研究の深さを相手に見せつけて奪ったリードは終盤の入り口にかけて徐々に怪しくなる。左辺からの猛攻を受けた自王を右辺に回避させ、105手目で▲3三桂成と踏み込んだ。だか「形勢を損ねた可能性があるとは思っていたんですが…」。その後もチャンスがあったが逃してしまい、163手目を指さず駒を投げた。

 「次のチャンスに向けて精いっぱい頑張りたいと思います」。最強棋士に挑む気概には1ミリのブレもない。(我満 晴朗)

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