武豊ショック 伊集院静さん死去から一夜 人生教わった心の師「優しいし、格好いい」

2023年11月26日 04:50

芸能

武豊ショック 伊集院静さん死去から一夜 人生教わった心の師「優しいし、格好いい」
武豊 Photo By スポニチ
 小説「受け月」で直木賞を受賞した人気作家の伊集院静(いじゅういん・しずか、本名・西山忠来=にしやま・ただき)さんが、肝内胆管がんのため73歳で死去してから一夜明けた25日、故人とゆかりの深かった競馬騎手の武豊(54)が本紙の取材に答え、その死を悼んだ。
 伊集院さんを“心の師”と仰ぐ武は「僕が競馬でケガ(10月29日、東京競馬場の脱鞍所で馬に蹴られて右大腿部を筋挫傷)をした日と、奥さまから伊集院さんの病状について連絡を頂いたのが同じ日でした。足が回復したら仙台へお見舞いに行こうと思っていたのに…。ショックです」と悲しんだ。突然の訃報から一夜明けても心の整理がつかない様子だが、気丈に言葉をつないだ。「出会ったのは僕がまだ19歳の時。人との接し方、酒場の席、酒の飲み方、旅や趣味の競輪。伊集院さんから教わったことばかり」と振り返った。

 伊集院さんは前妻の夏目雅子さんとの死別(85年)もあって東京を離れ、一時、京都に移り住んだ。伊集院さんとはその時、知り合った。「一回でも出会った人はみんなファンになると思う。優しいし、格好いい」と魅力を語った。

 以前、24歳の若さで亡くなった後輩騎手の岡潤一郎さんの墓参りに伊集院さんが足を運んだエピソードを明かしたことがある。「北海道の様似町まで誰にも言わず墓参りをしてくれました」。自身を通じて岡さんと面識があったことから、札幌から3時間以上かかる遠隔地を訪れた。

 無類のギャンブラーだった伊集院さんは「車券は買うが、馬券はやめた。ユタカのレースを応援するだけでも楽しい」と口にしていた。武がフランスに拠点を置いた2001年に「約束していないのにパリで2度、偶然に会った。不思議でした」と懐かしがった。翌日、郊外のトゥールーズ競馬場に一緒に向かったという。

 95年に武夫妻が挙式した時の媒酌人でもあった。量子夫人も「私たちの結婚の際には先生ご夫妻にお世話になり、いつも温かく見守っていただいておりました。悲しくて寂しいです」と悼んだ。
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