武田鉄矢「いまだに忘れない」山田洋次監督のカミナリ 「しごかれたことがどれだけ参考になったか」

2023年11月26日 14:16

芸能

武田鉄矢「いまだに忘れない」山田洋次監督のカミナリ 「しごかれたことがどれだけ参考になったか」
俳優の武田鉄矢 Photo By スポニチ
 俳優の武田鉄矢(74)が、26日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜前10・00)に出演。後の俳優人生に大きく影響した山田洋次監督(92)の言葉を明かした。
 番組では、高校野球を指導するイチロー氏が「今の時代、指導する側が厳しくできない。自分達で厳しくするしかないからなかなか大変」と複雑な思いを込めた発言を取り上げた。

 武田は「バランスの難しさですよね。特にお芝居なんかは、最初の1本目でしごかれたことがどれだけ参考になったか」と厳しい指導が基礎を築いてくれたと回想。山田洋次監督、高倉健主演で1977年に公開された映画「幸福の黄色いハンカチ」に出演した時の思い出を振り返った。

 武田は同作で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。「映画の中で、私はお尻を押さえて、ティッシュを抱えて野原を走りまわって草むらにしゃがむっていう下痢をするシーンがあった。どう読んでも、関西風に言うとオイシイじゃないですか。これは俺の見せ場で笑いをとる所だと思うから、そういうお芝居してたんです。だけど全然OKが出ない。『もう一回、もう一回、違ーう!』って」と山田監督からなかなかOKが出なかったという。

 「何が悪いのかわからない。愉快なシーンをやってるから、なるべく愉快にやった方がいいんじゃないかと思って。後半の方で山田さんのカミナリが落ちるんですけど、それはいまだに忘れません。『なんで笑わせようとするんだ!』って。『いいかい、君は好きな女の子の前で下痢をして、草むらにしゃがみ込むっていう恥ずかしいことをやってる。だから君は本当は泣きたいんだ。君が泣きそうになってるからお客さんは笑うんだよ!君が笑ってどうするんだ!』って言われたんです」と明かし、スタジオからは「かっこいい!」の声が。

 「ガーンと来て、それから『渥美(清)さんはねえ!』って来るわけです。『渥美さんは女の人にフラれるたびに涙を浮かべるんだよ。そこが一番お客さんの笑う所なんだよ。泣きながらやってごらんよ!大事なことを覚えておきなさい、喜劇というのは泣きながらやるから笑うんだ!喜劇を作るというのはそういうことだよ』って。そこから、もう一回、ヨーイ、と始まるんです」と山田監督との息詰まる場面を語った。

 鬼気迫る話に「うわーすごい」とうなる声が挙がり、今田耕司は「情景が浮かびますね」とうなずいていた。
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