日大 沢田副学長が林理事長をパワハラ提訴 弁護士が苦言「この2人で争っている場合では…」

2023年11月27日 14:44

芸能

 弁護士の菊地幸夫氏が27日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜後1・55)にリモートで生出演し、日大アメリカンフットボール部の違法薬物事件をめぐり、林真理子理事長からパワハラを受けたとして沢田康広副学長が訴えを起こしたことについてコメントした。
 日大の理事会で酒井健夫学長とともに辞任勧告を受けている沢田副学長は、林理事長に対して1000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。訴状によると沢田副学長側は、事件をめぐる8月の会見後、林理事長からほぼすべての会議への出席を禁じられ、すべての責任が副学長側にあるような印象操作をされたことで、社会的評価を低下させられたとしている。

 この訴えについて、菊地氏は「“この2人で争っている場合ではない”という日大の状況が、よく理解できていないんじゃないかというふうに思います。理屈よりもメンツの争いになってきて、泥沼に入ってきたという印象です」と、再発防止など本来の問題から逸脱した“場外戦”に苦言を呈した。

 1000万円という損害賠償額については、「日本の裁判でこういう組織の執行部の中でパワハラだ、いや違うという争いで、裁判所が認める慰謝料は、今回の1000万円よりも1ケタくらい違う金額が認定される場合が多い」と解説。「1000万円という金額が出たというのは、メンツと言えると思います」とし、賠償額よりも、社会的地位の低下に対する訴え重きを置いたものと分析した。

 沢田副学長側の訴えについては、「認められる余地はあると思います」と自身の考えを示した。理事でもある沢田副学長には、理事会に出席する資格があるが、菊地氏は「理事の地位にある人間を、“理事会に出席してはならん”という発言を理事長が発する権限というのは、日大の憲法に当たる寄附行為というのがあるんですけど、そこには書かれていない」と指摘し、「ちょっと理事長の勇み足ではないかな」との見解を口にした。

 また、印象操作に関する沢田副学長の訴えについては「具体的な言葉なり、せりふが出ていないので、何とも言えないですけれども」と前置きしつつ、「それなりの言葉が出ているのであれば、裁判所がパワハラと認定する可能性というのはあると思う」と見通した。

 日大アメフト部をめぐっては、大麻取締法違反などで部員2人が逮捕されている。同部の寮から違法薬物とみられる不審物が発見されながら、沢田副学長の判断で警察への報告が12日後と遅れ、“空白の12日間”と問題視された。
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