山田太一さん死去 業界仲間が続々追悼 中井貴一「人としてのあり方教わった」役所広司「大きな星が…」

2023年12月01日 11:16

芸能

山田太一さん死去 業界仲間が続々追悼 中井貴一「人としてのあり方教わった」役所広司「大きな星が…」
山田太一さん Photo By 提供写真
 「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など多数の名作ドラマで知られる脚本家の山田太一(やまだ・たいち、本名・石坂太一=いしざか・たいち)さんが11月29日、老衰のため死去した。89歳。東京都出身。
 「ふぞろいの林檎たち」に出演した俳優の中井貴一は1日、ブログを更新し、「まだ、役者として右も左も分からなかった頃、『ふぞろいの林檎たち』の面接でお会いしたのが、今から42年前。その頃、既に大巨匠脚本家だった山田太一さんでしたから、さぞかし怖い方なのだろうと、かなり緊張しておりましたが、実際は、物腰柔らかで、とてもジェントリーにお話をして下さいました。出演が決まり、初日の本読み、顔合わせの時も、物腰柔らか。しかし、本読み終了時、『私の台本は、語尾の一つまで考えて書いておりますので、一字一句変えない様に芝居をして下さい』と、ピシャリ。物腰とは裏腹に、実に辛辣にお話をされる方でも有りました」と思い出を振り返った。

 「台本を通して、私に芝居というものを教えてくださっただけでなく、その台本から、人としてのあり方までも教わった様に思います。言い尽くせぬお世話になりました。でも、もう一度、山田さんの台本で芝居がしたかった。心からご冥福を祈ります」と追悼した。

 同じく「ふぞろいの林檎たち」に出演した手塚理美は所属事務所を通じ「この度の山田太一さん訃報に際し、心を痛めておりまして、今はコメントを控えさせて頂けましたらと思います」と対応し、ショックの大きさをうかがわせた。

 山田さん脚本のドラマ「悲しくてやりきれない」に出演した役所広司は、NHK「あさイチ」出演中に訃報に接し、「大好きな作家さんだったので、びっくりしました。山田さんの作品に何度か出させてもらって。本当にテレビ界の、脚本家の、大きな星がなくなりましたね」とコメントした。

 日本アカデミー賞協会は公式X(旧ツイッター)を更新。過去の授賞式に出席した山田さんの写真を添えて「山田太一さんが11月29日に逝去されました。日本アカデミー賞において第14回『少年時代』で最優秀脚本賞、第10回『キネマの天地』(井上ひさし、朝間義隆、山田洋次と共に受賞)で優秀脚本賞を受賞しています。謹んでご冥福をお祈りいたします」と投稿した。

 ▼森田健作 この度の訃報に接し、非常に残念でなりません。TBS「たんとんとん」の撮影の際に母親役のミヤコ蝶々先生にほうきを持って追いかけられるシーンのセリフで、「母さんやめて、やめて、やめて」と「やめて」を3回言ったところ「台本は2回なので2回にしてください」とご指摘を頂き脚本に忠実で台本を大事にされている方だと思いました。NHK「男たちの旅路」の撮影の際も同様にセリフを大事にしている方だと感じました。心よりご冥福をお祈りします。
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