【記者の目】新スター生み出せるのか？ジャニーズのブランド力消えスタートから課題も

　旧ジャニーズ事務所が新会社の名称を「STARTO　ENTERTAINMENT」と発表した。国民的な知名度を誇った「ジャニーズ」に代わり「STARTO…」がどこまで浸透するかが今後の課題となる。 　事務所のイメージとパワーでタレントやグループを引っ張ってきたジャニーズ。それは創業者の故ジャニー喜多川氏を中心にしたファミリー感や一体感の“賜物（たまもの）”だったが、競合グループとの共演を嫌うなど閉鎖的な体質にもつながった。

　事務所名が全くなじみのないものになり、ブランド力は失われた。一体感も弱くなりそうだ。音楽番組などで競合グループと直接比較される機会も増える。ただ、独特の衣装や世界観は競合グループに交じっても際立つものがあるだけに、各グループはそうした個性や力を武器に戦っていくことになる。

　一方で事務所の未来は、新しいグループをブレークさせることができるかにかかっている。これまでは、スター候補生を発掘する“相馬眼”を持っていたジャニー氏ら創業者一族が号令をかけ、事務所が一体となって新グループに注力することでブレークさせてきた。この“方程式”が成立していることが事務所の力の源泉だった。

　同じことが、創業者色が一掃された中できるのか。新しいグループをブレークさせることができなければ、事務所の力が失われていくのは間違いない。ジュニアの中には「Aぇ！group」や「HiHi　Jets」「美　少年」などの人気グループはいる。彼らをブレークまで持っていけるかが、新会社が軌道に乗るかのカギになる。（文化社会部部次長・小枝　功一）