男女逆転「大奥2」はNHKの集大成 ついに最終回 サプライズ期待!?絶対に見逃せないポイント「3つ」
2023年12月12日 11:01
芸能
過去計3度、ドラマ化&映画化されたが、今回は幕末・大政奉還まで初めて映像化。2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も手掛ける森下佳子氏が、今年1~3月の「Season1」(全10話)に続いて脚本を担当。8代・吉宗の遺志を継ぐ若き蘭方医たちが謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅の道を切り拓く姿、開国・攘夷・大政奉還・江戸城無血開城という激動の時代を描く。
「Season2」最終回、最大の注目ポイントは、何といっても「徳川幕府の終焉」。繰り返し映像化されてきた「大奥」だが、倒幕まで描かれるのは同作が初となる。
原作漫画の全19巻で流れる月日は、実に244年間。これを一連のドラマとして映画化するのは、数多の時代劇を手掛けてきたNHKでも初の取り組みとなる。このドラマを企画した同局の岡本幸江プロデューサーも「うち(NHK)の全ての知恵、これまでの経験を結集して作っています」と胸を張る作品。原作では大政奉還後、岩倉使節団一行として6歳の津田梅子が初の女子留学生として渡米するシーンが描かれているが、ドラマの最終回ではどこまで描かれるか。244年の衣装や街並みの変化にも注目だ。
ここで期待されるのが、脚本・森下氏による“サプライズ”展開。「Season1」では、時代劇に突如、現代の渋谷のスクランブル交差点を現代の服装で歩く8代将軍・徳川吉宗役の冨永愛の姿が挿入されるなど、ドラマオリジナルの脚本・演出が見られた。この演出によって、世継ぎの出産を強要された3代・家光(堀田真由)や5代・綱吉(仲里依紗)らが抱えた苦悩や課題を現代に投げかけたが、「Season2」のラストはいかに。
2つ目のポイントは「大政奉還」。大東駿介演じる徳川慶喜は、公武合体の参預会議に参加するも島津久光らと対立し、会議を瓦解させてしまう。さらに15代将軍に就任するも、幕府の弱体化は止められない。ドラマでは大東の熱演が光り「慶喜がほんとに憎たらしい」という声が上がっている。「この国と江戸を守りたい」という亡き家茂の言葉は届かず、無念の展開…。“憎き”慶喜から、ラストはどんな奇怪な行動・発言が飛び出すのか。また、天璋院(福士蒼汰)や瀧山(古川雄大)ら周囲とどのように関わっていくのか。
3つ目のポイントは「流水紋」。「Season1」で万里小路有功(福士蒼汰)が好んだ意匠として大奥に伝えられ、「Season2」では瀧山、天璋院が着用する。この「大奥」では、衣装に登場人物の思いを乗せており、特に「流水紋」は、1651年から1867年の倒幕まで実に216年を旅している。原作でもドラマでも、物語の節目に「流水紋」がある。時代は移ろえど、人の思いは変わらないのだということを、この「流水紋」がささやきかける。
「流水紋」とともにあった「大奥」、「大奥」とともにあった「流水紋」。倒幕により完全に消えてしまう「大奥」だが…。瀧山と天璋院、2つの「流水紋」はどのような旅の終わりを迎えるのか。
ジェンダー、権力、病など現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描き、それでいて共感できるヒューマンドラマという“革命”を起こした同作。将軍一人一人、登場人物一人一人の人生に、その生涯に共感し、涙を流した視聴者がどれほどいただろう。長く儚い御鈴廊下の歩みと、NHK時代劇の“集大成”が今夜、幕を閉じる。