矢沢永吉「たまんねぇよ!」リベンジ武道館150回 熱狂マイクターン 4年ぶり永ちゃんコールも解禁 

2023年12月15日 05:30

芸能

矢沢永吉「たまんねぇよ!」リベンジ武道館150回 熱狂マイクターン 4年ぶり永ちゃんコールも解禁 
矢沢永吉150回目の武道館(C)HIRO KIMURA Photo By 提供写真
 ロックシンガーの矢沢永吉(74)が昨年末に喉の不調で断念した通算150回目となる日本武道館公演を14日、東京都千代田区の同所で開催した。苦渋の決断だった1年前の無念を晴らすリベンジ公演は、得意のマイクターンを2回転半もブン回す“ダブルアクセル”で決めるなどパワー全開。昨年の50周年に続くメモリアルに大観衆1万4000人の“永ちゃんコール”を浴び「皆さんの応援のおかげです。男として最高!」とファンに感謝した。
 すり鉢状に客席が囲む日本武道館に満杯の1万4000人。その全員がタオルを宙に投げ「永ちゃん!永ちゃん」と声を合わせて叫ぶ。コロナ下で禁止されていた「永ちゃんコール」が武道館でも解禁され、アンコールは熱狂の三社祭状態。武道館の歴史にも刻まれる大興奮のライブに矢沢も「コロナ期間に永ちゃんコールをみんなよく我慢してくれました。たまんねぇよ!たまんねぇよ」と歓喜の声を上げた。

 1977年に日本のロック歌手で初めて武道館公演を成功させてから、矢沢にとってこの場所は人生で幾度の失敗や屈辱を乗り越えるたびに「やっぱり特別」とほれ直してきた“永遠の相棒”。そして74歳になった今も、1年前のオトシマエをつける伝説のリベンジの地となった。

 1曲目「さまよい」から、全編英語詞「ROCKIN’MY HEART」、本編ラスト「WITHOUT YOU」、アンコール1曲目「止まらないHa~Ha」など、矢沢が海外挑戦して人生の岐路となった80年代の作品で要所を締めた。得意のマイクターンをいつも以上にブン回して“ダブルアクセル”を決めると、床にマイクが倒れて「かわいそうにヘコんじゃったよ」と苦笑いするなど、パワーが有り余っている様子。汗だくで放つ重く野太い歌声は、脂の乗った80年代の自分に挑んでいるようで「もう一回生まれ変わっても、大変だけどまた(矢沢永吉を)やるよ!」と宣言した。

 アンコール最後に用意したのは「I AM」。90年発表のアルバム「永吉」の収録曲。海外から日本に戻った時の作品で、今公演を前にファンからの要望が多かった。前人未到の武道館150回とは何を意味するのか、たどり着いた答えがファンへの「感謝」だったのだろう。

 「生き急いで ここまで来たよ」と哀感たっぷりに歌い始め、「痛みも知り今は 悔やまないさ この人生 幸福(しあわせ)だよ」と歌い終えた。その言葉通りの激動の人生を乗り越えてきた喜びを実感したのか、深いシワを刻んでほほ笑んだ。その顔を見つめるファンも「ありがとう!永ちゃん」と叫び、目を潤ませていた。(阿部 公輔)


 ≪本編中はコール禁止に≫ 矢沢のライブで「タオル投げ」と並ぶ名物といえば「永ちゃんコール」。このツアーで4年ぶりに解禁された。ただ、禁止期間にファンから「永ちゃんの歌や演奏がちゃんと聴けて凄く良かった」「改めてライブの良さを感じた」との声が多く寄せられたため、1曲目から本編終了までは「永ちゃんコール」や「一緒に歌う」などの行為はNGに。そのため開演30分以上前から「永ちゃん!永ちゃん」の声が場内に響き渡り、再びアンコールで永ちゃんコールが復活し、タオル投げをしながら矢沢と一緒に歌うという熱狂の空間が生まれていた。

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