「どうする家康」最終回 天海役に小栗旬のワケ「懐の深さ」番組CP感謝 意を決し打診→老けメーク快諾
2023年12月16日 13:50
芸能
最終回は「神の君へ」。徳川家康(松本潤)は豊臣との決戦に踏み切り、乱世を終える覚悟で自ら前線に立った。真田信繁(日向亘)らは家康の首をめがけて攻め込む。徳川優勢の中、千姫(原菜乃華)は茶々(北川景子)と豊臣秀頼(作間龍斗)の助命を訴えたものの、家康が下した決断は非情だった。翌年、江戸は活気に満ちあふれ、僧・南光坊天海は家康の偉業を称え、乳母・福(のちの春日局)(寺島しのぶ)は竹千代(のちの徳川家光)に“神の君”の逸話を語る。そんな中、家康は突然の病に倒れ…という展開。
天台宗の高僧・南光坊天海は“神君家康”のシナリオを描いたフィクサー。卓越した知識と教養を持ち、家康に取り立てられて暗躍、遺言を託された1人。家康の死後、「東照大権現」として神格化を図り、久能山東照宮から日光東照宮に改葬したと言われる。
「鎌倉殿…」最終回「報いの時」(昨年12月18日)の冒頭、鎌倉幕府が編纂した公式の史書「吾妻鏡」を読む若き家康が事前告知なしのサプライズ登場。「いよいよ承久の乱の始まりか。ドキドキしてきた。一回落ち着こう」と視聴者をいざなった。
小栗の起用理由について、制作統括の磯智明チーフ・プロデューサーは「『鎌倉殿の13人』では、最終回に松本潤さんが徳川家康役で出演させていただきました。そこには、小栗旬さんとの間で長年にわたって築かれた特別な関係があったと思います。そのお返しをせねばならぬという思いは、この時からずっとありました」と説明。
ただ「物語にどっぷり浸かる役柄をお願いするのも違うように思い、印象的でピリッとした役はないものか…。とはいえ、古沢さんに無理をさせるわけにはいかず、そんなことを考えているうちに、あっという間に台本作りは終盤に差し掛かりました」。ここでクローズアップされたのが天海。「家康の半生を偉業の数々と称え、神として日光東照宮に祀った謎多き天台宗の高僧です。一説には、明智光秀ではないかとも。このドラマは家康が“神の君”となって終わるので、天海は当初から登場することになっていました。か弱き殿を伝説の人物として祀り上げるあたり、北条義時が源頼朝に行ったことを連想させて、小栗さんに演じていただけると、とても魅力的な人物になりそうな感じがしました」と明かした。
しかし、問題が1つ。「天海の年齢です。諸説ありますが、天海は1616年当時、80歳と言われています。その後も長生きして、107歳まで生きたとも。果たして、この老年の役を引き受けてくださるのか…。意を決して、台本を読んでいただき、反応を待ちました。内容については好感触だったのですが、やはり『この役は、老けメークですよね?』と。『家康と同年代の人物なので、相当な老けメークになります。特殊メークをつくるのに最低3週間、当日も3時間かかります…』とお答えしました。結果は…OK!そうした役柄も含めて面白がっていただけたのが、小栗さんの俳優としての懐の深さなのかと思いました。ありがとうございました!」と感謝した。
古沢氏の台詞やチーフ・村橋直樹監督の演出には“遊び心”もあるという。「天海は徳川幕府のフィクサーとして暗躍した人物。食えない男だと思いますので、小栗さんの怪演はとても説得力があると収録現場で感じました。是非お見逃しなく。1年ぶりに大河ドラマに戻ってきた小栗さんにご期待ください」とアピールしている。