「どうする家康」最終回 壮絶最期ネット&演出も北川景子を絶賛「茶々はようやりました」に込められた思い

2023年12月17日 21:00

芸能

「どうする家康」最終回 壮絶最期ネット&演出も北川景子を絶賛「茶々はようやりました」に込められた思い
大河ドラマ「どうする家康」最終回(第48話)。燃え盛る大坂城、最期の時を迎えた茶々(北川景子)は…(C)NHK Photo By 提供写真
 嵐の松本潤(40)が主演を務めたNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は17日、15分拡大で最終回(第48話)「神の君へ」が放送され、完結した。女優の北川景子(37)が怪演し、新境地を開拓した“ラスボス”茶々は自刃し、壮絶な最期。SNS上には拍手喝采の声が相次いだ。同回を担当したチーフ演出・村橋直樹監督に撮影の舞台裏を聞いた。
 <※以下、ネタバレ有>

 最終回は、徳川家康(松本潤)は豊臣との決戦に踏み切り、乱世を終える覚悟で自ら前線に立った。真田信繁(日向亘)らは家康の首をめがけて攻め込む。徳川優勢の中、千姫(原菜乃華)は茶々(北川景子)と豊臣秀頼(作間龍斗)の助命を訴えたものの、家康が下した決断は非情だった。翌年(元和2年、1616年)、高僧・南光坊天海(小栗旬)は家康の偉業を称え、乳母・福(のちの春日局)(寺島しのぶ)は竹千代(のちの徳川家光)に“神の君”の逸話を語る。江戸が活気に満ちあふれる中、家康は突然の病に倒れ…という展開。

 徳川VS豊臣の最終決戦「大坂夏の陣」(慶長20年、1615年)が描かれた。

 大坂城が炎に包まれる。秀頼、家臣たち、大野治長(修理)(玉山鉄二)が自刃。最後に残った茶々は「日ノ本か。つまらぬ国になるであろう。正々堂々と戦うこともせず、万事長きものに巻かれ、人目ばかりを気にし、陰でのみ妬み、あざける。優しくて、卑屈なか弱き者たちの国に。己の夢と野心のために、形振(なりふり)構わず力のみを信じて戦い抜く!かつて、この国の荒れ野を駆け巡った者たちは、もう現れまい。茶々は、ようやりました」――。

 家康は合掌した。

 SNS上には「茶々ロス、北川景子ロス」「間違いなく後半のMVP」などと絶賛の視聴者が続出した。

 村橋監督は「北川景子さんの怪演もあって、強烈なイメージで物語後半を牽引してくれた茶々というキャラクターでしたが、最期には<一人の人間>に戻してあげたいな、という想いが個人的にありました」と述懐。

 「(脚本の)古沢(良太)さんがお書きになった、周囲のすべてが自決した後、茶々が最後に一人でこぼす台詞『日ノ本か。(戦国の世が終わり)つまらぬ国になるであろう』がとても素晴らしかったのですが、彼女個人の想い以外を背負っての台詞だったので、『最後に彼女が<一人の人間>に戻る瞬間をつくりたい』と古沢さんにお願いして書いていただいたのが、おそらく亡き市(北川の1人2役)との会話であろう『茶々はようやりました』という最後の一言でした」と秘話を明かし「彼女も戦国という時代の被害者の一人として死んでいくことは、最終回の中盤以降に家康の贖罪意識を描いていくためにも、必要なことだったと思います」とした。

 第39回「太閤、くたばる」(10月15日)、豊臣秀吉(ムロツヨシ)のラストも強烈だったが「この想いは、秀吉の最期を撮っていて生まれたものです。『あとは任せよ、猿』という言葉を叩きつけて看取った後、涙をこぼして抱き締める茶々。これは台本のト書きにあったものではなく、お芝居の中で出てきた感情でした。母との約束のために“茶々”という存在を演じている茶々と、秀吉を恨みながらも愛情も感じている本当の茶々が、北川さんの中に同居している…演じ手の中で芽生えていた感情も大切にしたいと思った瞬間でした」と振り返った。

 「ラスボス、という記号的になりやすい物語上の役割を全うしながら、演じている上での感情のリアリティーを我々撮る側に訴えかけてくる。その両方を行き来することができることが、北川景子さんの凄さだと思っています」

 総集編(4章構成)は今月29日(後1・05~5・49)に放送される。

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