M-1 令和ロマンが優勝 中川家以来22年ぶりトップバッター頂点 「来年も!」前人未踏の連覇宣言

2023年12月24日 22:05

芸能

M-1 令和ロマンが優勝 中川家以来22年ぶりトップバッター頂点 「来年も!」前人未踏の連覇宣言
<M-1グランプリ2023>優勝した令和ロマンの高比良くるま(左)と松井ケムリは優勝トロフィーを手に笑顔を見せる(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 漫才日本一を決める「M-1グランプリ2023」が24日、東京・六本木のテレビ朝日で決勝戦が行われ、初の決勝に進んだ令和ロマンが優勝し、賞金1000万円を獲得した。
 過去最多の8540組の頂点を決めるクリスマスイブ決戦。最後に笑ったのはインテリコンビだった。ボケの高比良くるま(29)、ツッコミの松井ケムリ(30)は、慶大のお笑いサークルで出会い、意気投合。松井は無事に卒業、高比良は中退したが、そろってお笑いの道へ進んだ。元号が令和に変わった初日にコンビ名を変更。令和とともに歩んだコンビが、新たなお笑い界のホープとなった。

 ファーストラウンドは圧倒的不利と言われるトップバッターで登場。学園もの漫画のあるある展開についてのやりとりを披露した。設定の矛盾を突いたり、むちゃな仮説を唱えてはボツにする、スピーディーな展開で笑いを誘った。審査員は7人全員が90点以上のハイアベレージで648点を獲得し、さや香、ヤーレンズに次ぐ3位で突破した。

 最終決戦も1番手で勝負した。クッキー工場から自動車工場にむちゃな鞍替えをしようとする町工場が舞台のドラマを題材にしたネタで、高比良が数々の奇抜な動きを繰り出した。今田耕司も思わず泣き笑いする漫才だった。最終投票では6人目までヤーレンズと3―3で並んだが、最後に松本人志が投じたのが令和ロマン。大接戦を制した。ファーストラウンドで1番手の優勝は、第1回大会の中川家以来、2組目という快挙だった。

 キラキラ光る紙吹雪を見上げながら、感慨深い表情を浮かべた2人。高比良は「うれしいです。中川家さん以来のトップバッターで優勝できて」と、インテリらしくデータを引用しながら、苦難の道のりを振り返った。本番で、松本から汗臭さをいじられていた松井は「汗臭くても優勝できるんだということが分かって良かったです」と謙虚にコメント。「アセクサ、おめでとう!」と、ジョークまじりの祝福の声が届いた。

 最後にコメントを求められると、高比良が「M-1大好き、来年も出ます!」と、前人未踏の2連覇へ挑戦することを宣言。松井は驚きながら、「来年も出るみたいです!」と続き、笑わせた。

 昨年は敗者復活戦で2位。あと一歩届かなかった師走の大舞台で、一気にお笑いの頂点へ上り詰めた。大会公式YouTubeのインタビューで、高比良くるまは「敗者復活2位だったので。ウエストランドさんが抜けたので、全員同じくらい頑張ったら、最後の一枠には入れるなと思いました」と、確かな自信を胸に迎えた大会だった。

 18年4月に結成された若きコンビ。結成5年8カ月での優勝は、03年のフットボールアワー(4年8カ月)に次ぐ最短記録となった。

 昨年準優勝のさや香が、順当に決勝に進出。大本命とみられていた。それでも高比良は「さや香さんがさらっと優勝したらおもしろくないので、食い止めたい。盛り上がらないじゃないですか?さや香さんが普通に優勝したら。順当に優勝しちゃったら。激戦になるくらいは食い止めたいですよね」と、毒まじりにライバル心を垣間見せた。松井ケムリも「僕らはNHK新人お笑い大賞でさや香さんに勝ったことがあるんです」と告白。“さや香キラー”が、大舞台で再びV候補筆頭にキバをむいた。松本は「令和ロマンは1本目より強いネタを残していた気がして、根性勝ちだなと」と、勇気あるネタ選びを称賛していた。

 ◇令和ロマン 慶大のお笑いサークルで出会ったボケの高比良くるま(29)、ツッコミの松井ケムリ(30)により、2018年結成。M-1はこれまで昨年の準決勝敗退(敗者復活戦2位)が最高成績だった。19年、令和元年初日からコンビ名を「魔人無骨」から変更。20年、NHK新人お笑い大賞で大賞を受賞。人気アニメをいじり倒すネタを得意とする。吉本興業所属。

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