若狭勝弁護士 自民裏金事件、特捜部の狙いを推察「形式犯ではなく、半年後くらいに大きくはじけるものを」

2023年12月28日 15:19

芸能

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が28日、TBS系「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件について言及した。
 東京地検特捜部は28日、大野泰正参院議員(岐阜選挙区)の東京・永田町にある議員会館事務所など関係先を家宅捜索した。一連の事件で議員側が強制捜査を受けたのは、27日の池田佳隆衆院議員(比例東海)に続き2人目。特捜部は大野氏を任意で事情聴取しており、違法性の認識について確認を進めている。

 大野氏側はパーティー券の販売ノルマ超過分の還流を受けながら、政治資金収支報告書に収入として記載していなかったとされる。特捜部は政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで捜査。時効がかからない2018年以降の5年間で5000万円超の還流を受け、裏金にしていたとみられる。

 安倍派では販売ノルマ超過分を収支報告書の収入に記載せず議員側に還流。支出にも記載せず、受領した議員側も収入として書いていなかった。安倍派所属99人の大半が還流を受け、大野氏や池田氏は高額受領者だった。特捜部は大野氏や池田氏が関連政治団体の会計責任者から不記載について報告を受けるなどしていなかったか調べる。

 MCの恵俊彰が、今回の事件に検察が100人体制で臨んでいることを聞くと、若狭氏は「気合が入っているのは確かなんだと思うんですが、ただ、この政治資金パーティーに関する裏金というのは、そんな悪質なものではないという意識が(検察には)あると思います」と言い、「つまり、形式犯といって、収支報告書に書いていなかったから犯罪になる。書いてさえいれば犯罪にならないというものなんですね。形式犯の象徴的なものは免許不携帯。それに近いようなものなので、特捜部とすると、この収支報告書の不記載という事件を通じて、例えば贈収賄だとか、あるいは選挙買収だとか、そういう実質的な犯罪、もっと大きな力を持つ人に対して食い込むというつもりで、これだけしゃかりきにやっているのでは」と特捜部の本当の狙いを推察。

 そして、「そういう捜査を通じていろいろな情報が集まるし、出てくることがある。私の元特捜部副部長の肌感覚からすると、収支報告書の不記載というだけで、これだけの体制を整えて、しゃかりきにやっているというのは全く腑に落ちない」と指摘。「こういう事件が起きると、特捜部の中にいろいろな班ができる。その中で、何をやっているか分からないという班もある。今回、つくっているか分かりませんが、何をやっているか分からない班がある時がある。私が(特捜部副部長を)やっていた時は、内部でも何をやっているか分からない班があった」と言い、「その特定の内偵をやっている班が今後、どのように事件をつくっていくかによって先々、半年後くらいになるかも知れませんが、大きくはじけるということもあり得ます。それに向かってやっているんじゃないかなと私は思っています。この政治資金パーティーの事件で誰かを起訴しただけでは、特捜部としては凄いことをやったねという評価までいかないんじゃないかと思う」と自身の見解を述べた。
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