キャプテン翼 “漫画”連載4月終了発表 高橋陽一氏「体にガタ 執筆環境の変化」形式と場を変え制作継続

2024年01月05日 00:00

芸能

キャプテン翼 “漫画”連載4月終了発表 高橋陽一氏「体にガタ 執筆環境の変化」形式と場を変え制作継続
「キャプテン翼マガジンvol19」表紙(C)集英社 Photo By 提供写真
 1981年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始し、ここまで世界中で愛されてきたサッカー漫画「キャプテン翼」が、このたび漫画としての連載を終了すると、集英社が5日、発表した。
 この日発売の「キャプテン翼マガジンvol.19」で発表、4月初旬発売予定の「キャプテン翼マガジンvol.20」の掲載話をもって最終回とするという。

 同誌「vol.19」には著者・高橋陽一氏が思いのたけをつづったファンへのメッセージも。体力の衰えや執筆環境の変化により漫画を描くことが困難になってきたことを理由に挙げつつ、このあとの物語を残すために、ネームのような形で制作していく決意を4ページにわたり述べている。

 今後の物語については、どのような形で発表するかは未定。決定次第報告するという。

 「キャプテン翼」連載終了について、高橋氏のメッセージは以下の通り。

 いつも「キャプテン翼」を応援いただき、ありがとうございます。
 1981年に「週刊少年ジャンプ」で「キャプテン翼」の連載を始めてから2024年で43年目になります。ここ数年、この先の物語をいったいどこまで描けるのか、ずっと考えていました。そして今回、最後まで連載にこだわり体力の限界まで“漫画”を書き続けるよりも、連載をやめ「キャプテン翼」の最終回までの“物語”を残す決断をしました。
 今、頭の中には「キャプテン翼」の一応の目安の最終回までの構想があります。現在、「キャプテン翼マガジン」で連載中のオリンピック編「ライジングサン」の、その先のシリーズまで含めてです。ですが計算すると、この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれません。それを実現させるのは現実的ではないと感じた一方、たとえばネーム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)などの形で“物語”を残すことだけに集中すればできるかもしれない、と思いつきました。
 これまで、身体は大きな病気をすることもなく、現在も健康状態は維持できていると思います。ただ年齢も60を超え、「週刊少年ジャンプ」や「週刊ヤングジャンプ」で週刊連載をしていた頃と比べると、老眼やめまいなどに苛まれ、だいぶ身体にガタがきていることもたしかです。
 そういった体力の衰えと昨今のデジタル化の波による執筆環境の変化などにより、以前より漫画の執筆ペースは落ちてきました。さらに2020年から猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大により、スタッフ体制の維持も困難になりました。
 そして僕が漫画家を目指すきっかけであり、一番の憧れであり、目標だった水島新司先生に訃報が飛び込んできたことも考えさせられる契機になりました。
 簡単にできる決断ではありませんでしたし、いつも「キャプテン翼」を楽しく読んでくださっている読者の皆さんには残念で寂しい思いをさせてしまうかもしれませんが、この決断を理解していただければと思います。
 ここで伝えきれない正直な思い、決断に至った経緯など詳細は1月5日発売の「キャプテン翼マガジンvol.19」に綴らせてもらいました。現在同誌で連載中の「キャプテン翼ライジングサン THE FINAL」そして「キャプテン翼MEMORIES4 最強!!明和FC伝説」は、4月初旬発売予定の「キャプテン翼マガジンvol.20」の話をもって最終話とさせていただきます。そして「キャプテン翼マガジン」もこのvol.20をもって最終号となります。
 今はまず、連載の最終回までの原稿を全力で描き切ろうと思っています。どうか最後までおつきあいください。
 「キャプテン翼」の今後の物語については、発表の方法や場所が決まり次第お知らせしますので、お待ちいただきたく、よろしくお願いします。
漫画家 高橋陽一
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