頻発していた能登半島の地震で緊急地震速報に“慣れていた”面も 地元アナ「自分事と考えて」

2024年01月05日 16:31

芸能

 能登半島地震の被災地となったテレビ金沢の市川栞アナウンサーが5日、読売テレビ「ミヤネ屋」の取材に応じ、涙を浮かべながら被災地の状況を訴えた。
 震度7を記録した石川県珠洲市をはじめ、能登半島全体で甚大な被害となっており、その大きな要因として道路の寸断が指摘されている。市川アナによると「私たちが能登へ車で向かう時は、のと里山街道という大きな道路を使うのですが、そこが使えなくなってしまいました」と、幹線道路の分断が起きてしまった。その結果「金沢方面から被災地を心配された方々が細い小さな道を迂回(うかい)して向かうのですが、そのために緊急車両が通行できない状況が発生してしまいました」と現状を伝えた。

 その影響もあり、輪島の朝市での火災も「ポンプ車3台しか到着できなかった」という事態が生まれ、また「すぐそばで倒れている住宅が見えていても、そこに救助隊がたどり着くことができない」という状況も頻繁に起こっているという。現場での「正確な情報を把握することが難しく」なってしまい、救出作業が困難な状態が今も続いているという。被害は局の“身内”にも及び、「スタッフの親戚が1月1日の地震発生直後生き埋めになってしまいました。その後の情報が一切ないまま、きょう5日になって遺体で見つかったそうです」と涙を浮かべて報告した。

 石川県では能登半島を中心にここ数年、何度も大小いくつかの地震が起こっていた。珠洲市では昨年5月に震度6強の地震があり、市川アナも取材に向かったが「人的被害や倒壊も局所的にはあったが、大事には至らなかった」と振り返る。

 ただ、何度も地震が起こっていたため、当時から住民の中にも「緊急地震速報に慣れてしまった」と話す人がいたことは気になっていた。自身も「これだけ大きな地震があって、初めてちゃんと自分事として地震の大変さを感じています」と現在の思いを正直に吐露した。

 現在、現地で最も大きな課題となっているのは、緊急車両の導線の確保。市川アナは「ボランティアや個人の方は、心配する気持ちもわかりますが、まずは今はプロに任せて、来るのをやめてほしい。北陸地方はまだまだ自身が続いているので危険です」とメッセージを伝えた。そのうえで自身の反省も踏まえて「ご自身の身の回りの備えをしっかりしていただきたいです。地震災害を自分事ととらえてほしい」と訴えた。
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