中村メイコさん死去 昨年11月にテレビで唯一無二の友・美空ひばりさんとの“逸話”の数々語っていた
2024年01月07日 20:10
芸能
エノケン、森繁久彌、三木のり平といった日本を代表する喜劇俳優と共演してきたことから自らを「喜劇女優」と呼んだ中村さん。美空ひばり、江利チエミとの交遊も有名で、無名時代の川谷拓三が一時期、付き人を務めていたこともある。
そんな中村さんは昨年11月6日にBSトゥエルビで放送された「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん」(月曜後9・00)にゲスト出演。1989年に死去した歌手・美空ひばりさん(享年52)との思い出話を語っていた。
ひとり好きだった中村さんが「友」と公言していた美空ひばりさん。中村さんは番組で、2歳下のひばりさんとは、初対面では意見がかみ合わなかったと語っていた。雑誌の対談で、中村さんは当時18歳、ひばりさんは16歳。「“ひばりちゃん、私たちだって普通の女の子みたいにお休みも欲しいし、普通のことしたいわね?”って、メイコちゃんは言ったわけです」。遊びたい盛りに仕事に追われる境遇を分かち合うため、こう呼びかけたという。ところが、ひばりさんの返答は想像したものとは違った。「“私はそうは思わないわ?”って。私、“はい?”って言いました。“だって私たちは夢を売る商売ですからね?ファンの方が嫌だと思うことは我慢しなくちゃね”って」。中村さんは「何だい?こいつは」と思いながらも、16歳とは思えない自己犠牲の精神と、自らに課された宿命を口にするひばりさんに、「年下なのにびっくりしちゃって」と感心したというエピソードなどをニコニコしながら楽しそうに語っていた。
また、中村さんの家にひばりさんが泊まりに来た逸話も紹介。当時、中村さんはまだ新婚。家にはダブルベッドが1つしかなく、3人で同じベッドに寝ることに。通常、夫と女性の友人は離れて寝るのが暗黙の了解だが、中村によるとひばりさんは、真ん中で寝ると言って聞かなかったという。「“私はセンターに決まってる”って言うんですよ?あの声で。“美空ひばりは常にセンター”って」と明かし、「一睡もできなかった」と苦笑いで回想。
晩年は闘病生活を送ったひばりさん。中村さんは「あの人は本当にしんが強いというか。痛いとか苦しいとか、どうしようとか、一言も言わなかった」と、その立派な闘病ぶりを振り返った。亡くなった後、ひばりさんの元に駆けつけると、お付きの人から「泣き虫メイコに」と書かれたひばりさん自筆の手紙と、ある品を渡されたという。「私のサングラスと、いつか私が忘れていったハンカチーフがきれいに洗ってあって、泣き虫メイコにこれを渡してねって。悲しいでしょう…?」。ひばりさんの最期の話を語った時、中村さんは寂しそうに下を向いていた。