「藤井を泣かせた男」伊藤七段 連勝で初タイトル王手!ついに同学年・藤井叡王を追い込む

2024年05月02日 18:45

芸能

「藤井を泣かせた男」伊藤七段 連勝で初タイトル王手!ついに同学年・藤井叡王を追い込む
叡王戦第3局に臨む伊藤匠七段(日本将棋連盟提供) Photo By 提供写真
 藤井聡太叡王(21)=王将など8冠=が同学年の伊藤匠七段(21)を挑戦者に迎える第9期叡王戦5番勝負第3局は2日、名古屋市の「名古屋東急ホテル」で行われ、後手の伊藤が146手で藤井に連勝。これで対戦成績は2勝1敗となり、伊藤が初タイトルに王手をかけた。運命の第4局は今月31日、千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」で行われる。
 勝者が先に王手をかける大一番。小学3年の全国大会で対戦し、負けた藤井が大泣きしたことから「藤井を泣かせた男」の異名を持つ男が、意地を見せた。対局後、伊藤は第4局に向けて「王手はかけたが、内容には課題も残った。しっかり振り返って臨みたい」と、兜の尾を締め直した。

 石川県加賀市で指された4月20日の第2局では、藤井の昨秋以来のタイトル戦連勝を16で止めた。大山康晴15世名人が1961~62年度にかけて残した、歴代最多記録17に62年ぶりに並ぶことを許さなかった。加えて通算13局目、対戦成績11敗1持将棋の末に藤井から初白星を挙げた。

 名古屋は、愛知県瀬戸市出身の藤井のホームグラウンドだけに止まらない。前夜祭では伊藤も「名古屋は親戚がいて、子供の頃はよく遊びにいった。名古屋での対局をうれしく思います。(名古屋の料亭「か茂免」での)第1局は敗れたので、第3局にかける意気込みは強く持っています」と語っていた。

 一方の藤井は20年の棋聖戦以降、これまでタイトル戦は21戦全勝と負けなし。シリーズで連敗したこともなく、先に負ければ敗退のカド番へ追い込まれたこともなかったが、初めて連敗し先にカド番に追い込まれた。

 叡王戦は持ち時間各4時間のチェスクロック方式。1分未満の考慮もストップウォッチの切り捨てではなく、加算されていくチェスクロック方式の4時間制は全8冠中、最も持ち時間が短く、読みだけでなく直感や運の占める割合も大きいとされる。藤井も初出場の第6期から5番勝負は通算10勝4敗、勝率・714は全8冠中最低と、それを裏付けている。

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