K―1女性社長・大木知葉さんが描く“第2章”の未来 鍵は「第2の武尊発掘」と「世界進出」

2024年09月19日 16:00

芸能

K―1女性社長・大木知葉さんが描く“第2章”の未来 鍵は「第2の武尊発掘」と「世界進出」
本紙のインタビューに応じた大木知葉さん Photo By スポニチ
 昨年4月、打撃系格闘技イベント「K―1」を主催する「M―1スポーツメディア」の社長に大木知葉さんが就任した。格闘技業界では珍しい女性社長。本紙のインタビューに応じ「世界に広がるK―1を作りたい」と力を込めた。
 大木さんは元々、スポーツ新聞社で格闘技を取材する立場だった。それまで格闘技に興味はなく「プロ野球が好きで、少女時代は野球を追いかけてました」と笑う。それでも、取材を通し生の格闘技を観戦すると「競技だけじゃないエンタメの部分が20代半ばの私にぶっ刺さった。大きな会場でエキサイティングな試合を見たときに、今まで感じたことのない興奮や感動を感じた」とすっかりとりこに。「格闘技の世界で働きたいという気持ちが抑えられなくて」と、総合格闘技「PRIDE」を運営するドリームステージエンターテインメントに転職した。

 同社のキャリア採用1期生として入社した大木さん。主に広報の業務を担当していたが、社内では「一番下っ端」。その業務は多岐にわたった。当時の「PRIDE」はエメリヤーエンコ・ヒョードルやミルコ・クロコップなど、海外のスター選手が多く来日。その外国人選手の世話まで大木さんが担っていた。「クロコップが忘れた下着をホテルに届けに行ったり、ヒョードルを連れて電車で秋葉原の電気街に電化製品を見に行ったりしました」と興味深いエピソードを披露。「海外の選手は時間にルーズだったり、どっか行っちゃったりする。それでもイベントを遂行しなきゃいけない。当時は海外のスター選手に対して“ちょっと早くして!”とか“こっち来なさい!”みたいな(笑い)。小娘だと思われてたのか、海外選手とのトラブルはありませんでしたね」。当時は3局が大晦日に格闘技の試合を放送する格闘技全盛期。「盛り上がった熱の中、最高峰で仕事ができたのはいい経験でした。キラキラした世界に微力ながら自分も関わっているのがうれしかった」と念願だった格闘技界での日々を駆け抜けていった。

 その後「もうやりきった気持ちがあった」とスポーツ新聞社に戻ったが、結婚・出産を機に退職。同じ頃、格闘技イベント「Krush」のプロデューサーから依頼を受け、運営の手伝いをするようになった。その後、Krushを買収したM―1スポーツメディアに就職。このM―1スポーツメディアが2014年からK―1の運営を開始した。

 これが“新生K―1”の幕開けとなった。旗揚げ戦で劇的なKO勝利を飾った武尊が以降のK―1をけん引。2022年には“世紀の一戦”といわれた那須川天心との対戦「THE MATCH」が開催。東京ドームは5万6000人の超満員となった。「大きな節目だと思いました。“新生K―1”を引っ張ってきてくれていた選手が卒業や引退を迎えているタイミング。今が“新生K―1第2章”が始まっているところだと思う」と語る。

 第2章で取り組んでいるのは「新たなスターの発掘」と「世界でのK―1の復活」だ。立ち上げからは日本国内での大会を実施していたが、今年は既にボスニア、イタリア、ブラジルの3大会を実施。「今はまだ見ぬ強豪だけど、いずれ昔のアンディ・フグやピーター・アーツ、ジェロム・レ・バンナのような選手に化けていくような、スター海外選手も生まれるんじゃないかと思います」と期待を寄せる。

 武尊に続く日本人スター選手については「芽は出てきていると思っているんです。そこを育てていきたい」と言葉に熱がこもる。29日には東京・国立代々木競技場第二体育館で「K―1 WORLD MAX 2024」を行う。「空位になっている65キロ級のワンデイトーナメントに、タイトルマッチが2つ。とにかく見どころが多いんです」とアピール。「メインは55キロ級の決勝戦。7月の1回戦は強豪の外国人選手を破って4人の日本人が全員勝ち上がった。残った4選手は全員が武尊選手に次ぐスター候補だと思っている」と勝ち上がった金子晃大、玖村将史、大久保琉唯、璃明武に期待を寄せる。「私が20代の頃そうだったように、ファンの心を震わせるような試合をK―1の選手には期待しています。特に金子、玖村両選手はそれができると思う」。29日、新たなスター誕生を期待せずにいられない。

 ≪ラジオ番組がスタート≫大木さんがDJを務めるラジオ番組「K―1 Bonの部屋」(日曜深夜1・00)が、1日にbayfmでスタートした。お笑いコンビ「アルコ&ピース」の平子祐希とともに、ゲストにK-1ファイターやK-1好きの有名人を迎え、ざっくばらんにトークを展開。大木さんの愛称である「Bon」を冠したタイトルとなっている。「試合だけでは分からない選手のパーソナルな部分をもっと知ってもらいたい」と力を込め「“徹子の部屋”のような長寿番組を目指して“Bonの部屋で”」とお茶目に笑った。

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