「虎に翼」あの後悔から20年…寅子、魂の説得→美雪、涙の改心「別人」片岡凜一人二役“怪演”ネット絶賛
2024年09月24日 08:15
芸能
向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛けた朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となった。
第127話は1972年(昭和47年)5月、最高裁大法廷。山田よね(土居志央梨)と轟太一(戸塚純貴)が弁論を終えた頃、並木美雪(片岡凜)が再び東京家裁に送致された。件名は「窃盗教唆事件」「売春防止法違反事件」。新潟時代、森口美佐江(片岡凜)と同様の事件――。佐田寅子(伊藤沙莉)は約20年前の後悔と向き合う…という展開。
美雪「調査なんて要りません。ぜーんぶ、私がやりました。正直に答えたご褒美に、質問してもいいですか」「先生はどうしてだと思います?どうして人を殺しちゃいけないのか」「もしかして、母も同じ質問を。(喜び、安堵の表情を浮かべ)そうなんだ。お母さんも同じことを」
寅子「奪われた命は元に戻せない。死んだ相手とは、言葉を交わすことも、触れ合うことも、何かを共有することも永久にできない。だから人は、生きることに尊さを感じて、人を殺してはいけないと本能で理解している。それが、長い間考えてきた、私なりの答え。理由が分からないからやっていいじゃなくて、分からないからこそやらない。奪う側にならない努力をすべきと思う」
寅子は時に声を荒らげ“魂の説得”を試みた。美雪は試験観察。民間の施設で生活を送ることになった。
半年後。音羽綾子(円井わん)の報告。実際に売春行為を行った2人は十分に反省。不処分が相当とした。美雪は施設で一切問題を起こさず、同じような境遇の子たちと仲良くしている。並木佐江子(辻沢杏子)も頻繁に面会し、関係は良好。
少年審判廷。
美雪「居心地はいいです。先生の差し入れを、みんな喜んでました。あんな分厚いお肉、初めて見たって」「先生、私、まだあの施設にいてもいいですか」「おばあちゃん、私といると、心が休まらないと思うんです。お母さん思い出し続けるのもかわいそうです。だから、一緒にいない方がいいのかなって」
寅子「理由は分かりました。それで、あなたの本心は?あなたはどうしたいの」
美雪「私は…」
佐江子「おばあちゃんは早く一緒に暮らしたい。離れて暮らして、ホッとしたのは事実。でもこの半年、どんどん面会の日が楽しみになった。毎日、頑張ってくれている姿が、伝わったから」
美雪「おばあちゃんと、一緒にいたいです(と涙)」
寅子「並木美雪さん、あなたを不処分とします。あなたは、きちんと人生を歩んでいけると、判断しました」
寅子と音羽は家裁の改革案を話し合った。
そして1973年(昭和48年)4月、最高裁大法廷の判決日を迎えた。
SNS上には「伊藤沙莉さん、迫真の演技」「声を荒らげる寅子の姿、凄まじかった」「吐きそうなくらい緊張感のある回。伊藤沙莉ちゃんでないと寅子は無理だった、と最終週になり本当によく分かる」「片岡凜ちゃんの演じ分け、凄いな。美佐江の方が闇深くてゾワッと感があった」「美佐江と美雪、顔は一緒なんだけど、全くの別人を演じ分けていて見事」「美佐江と美雪が同じ役者さんなの、凄いよな。美佐江は万能感にあふれていて、新潟の雪のように冷たくて透き通るような美人。美雪は美少女なんだけど、もう少し迷いがあって、素朴で普通で子どもらしかった」「ずっと気掛かりだった美佐江ちゃんの件が最終週にして終着。美雪ちゃんの幸せを願わずにはいられない回」「2人の演技の真剣勝負に鳥肌が立った…朝ドラ史上に残る名シーンだったと思う」などの声が続出。反響を呼んだ。