【高松宮記念】コウセイ 一気に“新電撃王”重賞初VがG1制覇

2017年03月27日 05:30

競馬

【高松宮記念】コウセイ 一気に“新電撃王”重賞初VがG1制覇
<高松宮記念>幸騎手を背にレッツゴードンキをかわすセイウンコウセイ(手前) Photo By スポニチ
 雨の桶狭間で新スプリント王が誕生!「第47回高松宮記念」が26日に中京競馬場で行われ、単勝5番人気のセイウンコウセイが初騎乗の幸に導かれ、G1初参戦V。1年前に未勝利戦を勝ったばかりの4歳馬が、初重賞制覇がいきなりG1という偉業を達成。青雲の志を持った新星が、一気に電撃王に成り上がった。
 雨の桶狭間に新星が輝きを放った。好スタートを決めたセイウンコウセイは、内外からハナを主張した3頭を行かせて、好位の内に収まった。抜群の手応えで3〜4角をクリア。得意のぬかるんだ芝も味方に、直線に入るやいなや一気に抜け出した。

 「道悪は得意と聞いていたし、実際ノメることもなかった。手応えが良過ぎて早く抜け出し過ぎたと思ったが、強かったです」。パートナーの強さを称えた幸だったが、ベテランならではの判断も光った。直線のほぼ中央から抜け出すと、残り200メートルから徐々に内へと馬を導いた。「いったん馬場のいい所に持ち出してスピードに乗せた。最後に脚が鈍りだすところで、周囲に馬がいなかったので傾斜を利用しようと思った」。水はけのため、内ラチへ向かってわずかにつけられた傾斜を生かし、最後のギアを引き出した。前走まで手綱を取った松田の騎乗停止処分による“代打指名”。「役目を果たせてよかった」。誠実な人柄で知られる鞍上はホッと息をついた。

 上原師はダイワメジャーで制した07年マイルCS以来、10年ぶりのG1制覇。「知らないうちに10年がたち、余計に力が入ってしまったところはあった」と苦笑しながら「4角を回る時が馬なりの手応え。必ずもうひと伸びしてくれる馬なので、直線に入った時に勝ったと思った。安心して見ていた」と振り返った。

 未勝利脱出はデビュー7戦目の昨年3月。「ソエ(若駒特有の骨の痛み)の影響や、骨格など馬体の緩さがあって時間がかかった」と師。初Vからわずか1年でG1馬へと上り詰めた。「ソエが固まって持っていた能力を出せるようになった。利口な馬で、普段は静かなのにゲート裏でガラッと変わる。レースで100%の集中力を発揮する」と称える。今後については「これから考えたい」と語るにとどめたが「いずれはダイワメジャーのように厩舎の看板馬になってほしい」と、かつて管理したG15勝馬の名を挙げた。

 約450年前、雨の桶狭間で今川義元を討ち、天下統一へと猛進した若き織田信長のように…。4歳の若武者が混迷の短距離界統一へ、大きな一歩を踏みだした。

 ◆セイウンコウセイ 父アドマイヤムーン 母オブザーヴァント(母の父カポーティ)牡4歳 美浦・上原厩舎所属 馬主・西山茂行氏 生産者・北海道新ひだか町桜井牧場 戦績15戦6勝 総獲得賞金1億9619万9000円。

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