【若松ボート G1全日本覇者決定戦 注目選手<2>】西山貴浩 純地元G1制覇へ“超本気スイッチ”ON

2024年09月22日 05:00

ボートレース

【若松ボート G1全日本覇者決定戦 注目選手<2>】西山貴浩 純地元G1制覇へ“超本気スイッチ”ON
今年は若松で2Vの西山貴浩 Photo By スポニチ
 ボートレース若松の開設72周年記念「G1全日本覇者決定戦」は9月27日に開幕。注目選手の2人目は西山貴浩(37=福岡)だ。
 水陸両用のエンターテイナーが静かに燃えている。若松が純粋な地元である西山。今回は少しばかり笑顔を封印するかもしれない。西山の合言葉は「24時間、365日、常に絶好調!!」。自分が楽しみ、人を楽しませることに注力する。ただ、周年は年に一度の厳かなイベント。西山の闘志、モチベーションはMAXとなる。多くを犠牲にしてでも目指すのは一つの勝利、そして勲章。笑ってはいられない綱渡りの6日間なのだ。

 「デビューした水面で、初優勝も若松。全選手の中で気合は1番入っていますよ。負けたくないし、負けられないと思っています」

 西山にとって若松周年は楽しみでもあり、苦しくもある。気合が入れば入るほど、それに反比例してメンタルはすり減るもの。調整の手もギリギリまで緩められない。ましてフライング1本持ち。張り詰めた緊張の糸を最後の最後までキープし続けなければならないのだ。もちろん、それは西山自身も覚悟している。

 「フライング持ちで無理はできないし、来年を棒に振ることはできません。来年は若松でクラシックとメモリアルがあるんで、そこに選手生活のピークを持って行くつもりですから。でも地元だし、集中力を研ぎ澄ませて、しっかりスタートは決めていきますよ」

 いよいよ、大一番がやってくる。勝ちたい気持ちが強いのは当たり前。今回もそれだけではない。かわいがっていた後輩に対する思いも胸に水面を走る。後輩とは中田達也さん。2年前にレース中の事故で帰らぬ人となってしまった。

 「若松を走る時は達也と一緒です。あいつの分も気持ちを込めて走りますよ。優勝してトロフィーを仏壇に飾ってやりたいです」

 瞳が輝くという表現が一般的によく使われる。今回の西山は瞳が引き締まるとでも言うべきか。輝きは瞳の奥底にそっと置いておこう。ボートの上では中田達也さんと二人三脚。真っ白な闘志で立ち向かう。西山の超本気スイッチがONとなる9月27日。笑みがはじける10月2日へ向けて、西山は静かに歩みを始める。

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