【スプリンターズS】サトノレーヴ 豪快に加速!3頭併せでラスト一気ギアチェンジ

2024年09月26日 05:26

競馬

【スプリンターズS】サトノレーヴ 豪快に加速!3頭併せでラスト一気ギアチェンジ
レーンを背に坂路を併せで追い切るサトノレーヴ(右)=撮影・村上 大輔 Photo By スポニチ
 秋の快速王決定戦「第58回スプリンターズS」の最終追い。香港の強敵を迎え撃つ日本勢も意気盛んだ。美浦ではサトノレーヴが坂路で躍動。函館スプリントS、キーンランドCを連勝しサマースプリント王者に輝いた新星が父ロードカナロアとの父子制覇を目指す。
 夏のスプリント王者の勢いは本物。曇天でも光り輝くサトノレーヴの馬体が、坂路でダイナミックに弾んだ。最終追いはレーンを背に3頭併せ。巨体を豪快に揺らし瞬時にギアを上げると、いっぱいに追われた先行2頭に楽な手応えのまま併入。手綱を取った名手は「今回は状態の確認。動きも良く状態は良かった。馬が自分から前向きな気持ちで走ってくれた」と相棒の状態に満足顔だ。

 Wコースでの1週前追いでも圧巻の動きを披露しており、堀師は「まずは(鞍上に)状態を把握してもらうこと。先週でしっかり仕上がってきたという判断があったので、やり過ぎたくないというところで(最終追いは)坂路での調教を選択。時計的な強度もちょうどよかった。安心できた」と合格点を与えた。

 馬体が緩くデビューが3歳4月と遅れたレーヴ。「持って生まれた集中力と前向きな気性、短距離向きなフットワークが長所」と素質を高く評価していたが「体の成長やスキルが追い付いていなかった」と当時を振り返る。それでも順調に白星を重ねたが、3歳秋に後肢の関節を傷め、2度の長期休養を余儀なくされた。無理をせず我慢の立て直しを図り、今年2月の阪急杯で本格的な戦線復帰。初戦こそ4着敗戦も、その後は重賞2勝を含む3連勝でG1舞台にたどり着いた。指揮官は「オーナーも理解してくれて、馬も乗り越えてくれた」と感謝する。

 芝6Fでは通算7戦6勝、2着1回と底を見せていない。師は「(弱かった部分が)整ってきた。使うごとにスプリント戦にマッチして能力を出せるようになってきた」と快進撃の要因を分析する。「G1は当初からの目標ではなく、条件クラスからステップアップし出走条件を満たす中で、馬の状態とすり合わせながら具体化した。G1に出走している実績ある馬たちに敬意をもって挑戦したい」。指揮官は控えめながらも言葉に確信をにじませた。フランス語で夢を意味するレーヴ。苦難を乗り越えて立つ大舞台で、秘めていた夢を現実にする。

 《得意の中山千二》芝6F7戦パーフェクト連対を誇るサトノレーヴは中山千二でも2戦2勝。今年4月の春雷Sでマークした1分7秒1は、今回の出走予定メンバーでも3位タイの持ち時計。レコードが頻発している今開催の中山芝に対応できる下地は十分ある。一方、週末は天気が崩れる予報。重馬場は2戦して1勝クラスこそ勝ってはいるが、阪急杯では4着止まり。馬場悪化はプラス材料とは言えない。

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