藤井正弘の血統トピック藤井正弘の血統トピック

信頼性が高い潜在的な“二刀流”の系譜

2018年07月11日 05:30

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 【新種牡馬紹介(2) ベルシャザール】2008年生まれ 青鹿毛 千歳産 父キングカメハメハ、母マルカキャンディ(母の父サンデーサイレンス)日、UAEで18戦6勝 主な勝ち鞍はジャパンCダート、武蔵野S 2歳産駒124頭。
 国際競走として行われていた最後のジャパンCダート優勝馬。2歳時には現G1のホープフルSでナカヤマナイト、フェイトフルウォーを下し、3歳時にもオルフェーヴルに独占された3冠を皆勤して日本ダービーで3着入線するなど、芝コースでもグレード級の能力は十分に示していた馬だが、骨折明けの5歳時、13年から転向したダートで素質を全開。この年にダート重賞2勝を含む6戦4勝の快進撃でJRA賞最優秀ダートホースに上り詰めた。ちなみにダービー3着は、メイショウボーラーの皐月賞3着と並ぶ歴代ダートG1馬の牡馬クラシック最高着順。クロフネ、ゴールドアリュールの系譜に連なる潜在的な“二刀流”のダート王だったといえる。

 ルーラーシップ、ロードカナロアと、直近2年の新種牡馬チャンピオンは、どちらも同じキングカメハメハ後継。今年のセレクトセールでもブランドパワー健在を誇示した父キングカメハメハは「種牡馬の父」としても極めて信頼性が高い。前記2頭と本馬の違いは、母の父にもろ刃の剣ともいえるサンデーサイレンスを持っていること。芝、ダートを問わず、大物はサンデーサイレンスのインブリードから生まれるように思う。 (サラブレッド血統センター)

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