藤井正弘の血統トピック
ウインブライト アウェー適性、打たれ強さは父譲り
2024年07月17日 05:30
ギャンブル
2019年JRA賞最優秀4歳以上牡馬。5歳時に本格化した晩成型で、中山金杯をトップハンデで完勝すると、続く中山記念では5頭のG1馬をまとめて撃破。余勢を駆って挑んだクイーンエリザベス2世Cでは現地オッズ単勝10番人気と軽視されていたが、当時の香港中距離王エグザルタント、以後G13連勝で年度代表馬となるリスグラシューといった強敵を1分58秒8のレコードタイムで一蹴し、父ステイゴールド同様にG1初勝利を香港遠征で手に入れた。秋の国内2戦は着外に終わったものの、再度遠征した年末の香港Cではゴール前の接戦で勝負強さを発揮。国外調教馬としては初となる同一年の香港2大2000メートルG1制覇を達成した。ラストランとなった6歳時の香港Cでも小差2着に健闘。最終的に香港3戦で総獲得賞金の60%以上を稼ぎ出した“シャティンの鬼”だった。
アウェーでパフォーマンスを上げる異能はまさに父譲り。敗戦を糧にした打たれ強さもしかりで、その点でも正統派のステイゴールド後継といえる。心身両面のタフさは母の父経由で増幅されたノーザンテースト血脈(4×4)のたまものだろう。叩き上げ属性は産駒にも確実に伝わっており、すでに2頭が未勝利勝ち。うち1頭は最低人気での大駆けだった。今後は穴メーカーとしても要チェックだ。(サラブレッド血統センター)