中村王座からGK中村航輔へ金言「攻めの守備」期待

2018年06月18日 09:30

サッカー

中村王座からGK中村航輔へ金言「攻めの守備」期待
17年7月、J1柏のファン感謝イベントで対局、対談したGK中村航輔(右)と将棋棋士の中村太地六段(段位は当時) Photo By 提供写真
 W杯ロシア大会で日本代表はあす19日、コロンビアとの初戦を迎える。GKとして出場の期待がかかる中村航輔(23=柏)に、将棋界きっての頭脳派がエールを送った。昨年イベント対局で盤を挟んだプロ棋士の中村太地王座(30)で、西野ジャパンの若き守護神に「攻めの守備」を期待した。
 NHK「将棋フォーカス」で司会を務めるなど、実力に加えて親しみやすいトークにも定評がある太地王座。わずかなミスが命取りになる重圧は、よく理解している。「GKは最後の砦(とりで)で、一つのプレーが勝敗に直結する。責任がある分、喜びも大きい。航輔選手の思い描くプレーをしてほしい」と強く願った。

 航輔はサッカー界屈指の将棋好き。移動時などに4000局以上のオンライン対局で腕を磨いているという。昨年7月、柏のファン感謝デー企画で同姓が縁となり“中村対決”が実現した。飛車、角、香車2枚の4枚落ちのハンデはあったが、航輔はGKらしく堅陣を築き、見事に勝利を収めた。

 「自分なりに戦略を立てて丁寧に指していた。将棋が好きなのが伝わってきた」と太地。対談も盛り上がり「(五輪代表時代の)ブラジル戦を“指導対局のようだった”など、将棋に例えて考え方を分かりやすく話してくれた」と振り返る。その後太地は初タイトル獲得、航輔はW杯日本代表入りとそれぞれ飛躍を果たした。

 太地も小学校低学年時はサッカー教室に通い、現在も趣味と体力づくりを兼ねて棋士仲間とフットサルで汗を流す。「将棋と同じく攻め重視で、ラストパスを出すのが好き。時々ゴレイロ(GK)もします」と語る。

 サッカーと将棋は陣形など共通点が多く、最後尾のGKは王将に例えられる。戦術的な流行も重なる部分があるようで、プロの将棋では「少し前までは、穴熊囲いなどで王を安全に固めてから攻めるのが主流だった。でも最近はバランスを重視し、王も自ら陣地を守るという考え方が広がっている」という。

 サッカーでも「ドイツのノイアー選手をはじめ、前に出るGKが評価されている。航輔選手にもシュートコースを消すような積極的な動きを期待したい」。ピンチを未然に防ぐ、果敢な飛び出しに注目している。

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