日本2大会ぶり16強!W杯史上初 イエローの差で“紙一重突破”

2018年06月29日 05:30

サッカー

日本2大会ぶり16強!W杯史上初 イエローの差で“紙一重突破”
イレブンとハイタッチして喜ぶ西野監督(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【W杯1次リーグH組   日本0―1ポーランド ( 2018年6月28日    ボルゴグラード )】 日本代表が2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。H組の日本は28日、ボルゴグラードでの1次リーグ最終戦でポーランドと対戦。西野朗監督(63)は24日のセネガル戦から先発を6人入れ替えて臨んだが、0―1で敗れた。しかし、同組のコロンビアがセネガルに1―0で勝利。この結果、コロンビアが勝ち点6で1位となり、日本とセネガルは勝ち点4で並んだが、順位決定規定で上回った。AP通信によると日本はW杯で初めてフェアプレーポイント差で決勝トーナメントに進出した。
 耳をつんざく大ブーイングの中、日本代表が2大会ぶりの決勝トーナメント(T)進出を決めた。土壇場で西野監督が打って出た手段は、まさにギャンブル。0―1の後半37分、長谷部を投入すると攻撃を止めるよう指示。後方でボール回しを続け、時間を稼いだ。負けている状況で失点のリスクだけを抑え、H組2位を勝ち取った。

 天国と地獄を分けたのはこの前代未聞の策。同時刻に行われたコロンビア―セネガル戦は後半29分、コロンビアが先制。この時点で決勝Tの切符はセネガルとの争いになった。勝ち点、得失点差、総得点で並び直接対決もドロー。最後は警告数などによるフェアプレーポイント(反則ポイントの低い方)に委ねられた。セネガルの6に対し日本は4。まさに紙一重だった。

 西野監督は言う。「チームとしては本意ではない。勝ち上がる上での戦略です。選手も本意ではなかったと思うが、成長していくうちの一つ。対応性が常に問われる」。残り時間は10分以上。セネガルが同点に追いつけば勝利を放棄した日本の決勝T進出の道は閉ざされる。それでも勝負に出た。作戦は消極的だが、姿勢は強気。結果、W杯で初めてフェアプレーポイントが両国の差を分けた。

 そもそも先発編成もギャンブルだった。コロンビア、セネガル戦は先発を固定したが、6人を変更。岡崎、武藤、宇佐美、槙野、山口、酒井高を送り出した。布陣も4―2―3―1から4―4―2にシフト。本職がサイドバックの酒井高を右MFに配置した。「疲弊している中で戦わないといけない。ベンチワークが重要になる」。リスクを恐れなかった。

 理想像がある。02年W杯日韓大会で韓国を4強に導いたヒディンク監督だ。決勝Tでイタリア、スペインを撃破した名将の采配に感銘を受けた。当時はG大阪を率いて1年目。先手先手を打つ強気の交代策をバイブルに、J1歴代最多270勝を挙げた。63歳で迎えた自身初のW杯。「常に強い選択をしたい」とヒディンク氏に負けない強気を貫いた。

 W杯の日本の最高成績は02、10年の16強。ここからは新たな歴史をつくる戦いが始まる。西野監督は「強いチャレンジを持って入りたい」。22年前、「マイアミの奇跡」を起こした勝負師に恐れるものは何もない。

おすすめテーマ

2018年06月29日のニュース

特集

サッカーのランキング

【楽天】オススメアイテム
`; idoc.open(); idoc.write(innerHTML); idoc.close(); });