西野監督“奇跡の法則” 昨年11月にベルギー戦視察「やりがいがある」

2018年07月02日 05:30

サッカー

西野監督“奇跡の法則” 昨年11月にベルギー戦視察「やりがいがある」
昨年11月にベルギー代表と対戦した日本代表 Photo By スポニチ
 【W杯決勝トーナメント1回戦   日本―ベルギー ( 2018年7月2日    ロストフナドヌー )】 運命の一戦を前に、西野朗監督(63)が動いた。冒頭15分が公開されたベルギーの公式練習に分析担当の和田コーチを派遣。直前まで情報戦を仕掛け、公式会見では「世界トップ3にランクされる国にどう挑むか。日本は61位。あらゆる策を駆使したい。勝機はどこかに落ちている。全員で拾いにいきたい」と力を込めた。
 生きた情報を基に格上撃破を目指す。日本が0―1で敗れた昨年11月14日の親善試合ベルギー戦を、技術委員長としてスタンドから視察。ルカク、デブルイネらのプレーを目の当たりにし、力量を見極めた。FIFAランク3位の強豪は約7カ月前の対戦時と主力に大きな変化はない。指揮官は「ベルギーは間違いなく全ての部分がストロング。されどウイークもたくさんある」と言い切った。

 6月19日の1次リーグ初戦でコロンビアに2―1で勝利を収めた。指揮官は技術委員長時代の3月23日にサンドニで開催されたフランス―コロンビア戦をハリルホジッチ前監督と一緒に現地で視察。試合後、前監督が「コロンビアに勝つのは幻想に近い」と白旗状態だったのに対し、西野監督は「VTRより、はるかに強いコロンビアがいた」と言いながらもファイティングポーズを崩さなかった。分析を続けた結果、序盤から攻撃的に出る戦術を決断。開始早々にPKによる先制点と相手に退場者が出る展開を引き出し「小さな奇跡」と自任する金星を手にした。

 22年前。ブラジルを破る“マイアミの奇跡”を起こした96年アトランタ五輪の開幕1週間前には、ニューヨークで開催されたU―23ブラジル―世界選抜戦を視察していた。スタンドから俯瞰(ふかん)して分析した相手には勝ってきた実績がある。

 この日は「PKに至る前に決着をつけたい。あの緊張感はつくれないから」とPK練習は行わなかった。ハリルホジッチ前監督は「私は完全に把握している」が口癖だったが、西野監督は大口は叩かない。だが、セネガル戦のオフサイドトラップ、ポーランド戦の先発6人変更&0―1キープ指令など、数々のサプライズ采配を繰り出してきた名将は、きっと完全に把握している。史上初の世界8強への道筋を。

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