W杯制し“新王様”誕生!エムバペ ペレ以来の決勝戦10代弾

2018年07月17日 05:30

サッカー

W杯制し“新王様”誕生!エムバペ ペレ以来の決勝戦10代弾
W杯優勝トロフィーを手に笑顔を見せるフランス代表エムバペ(撮影・西尾大助) Photo By スポニチ
 【ロシアW杯決勝   フランス4―2クロアチア ( 2018年7月15日    モスクワ )】 サッカー界に若き“王様”が誕生した。決勝でフランスが4―2でクロアチアを下し、自国開催だった98年大会以来20年ぶり2度目の世界一に輝いた。背番号10のFWキリアン・エムバペ(19=パリ・サンジェルマン)が今大会2位タイの4点目を決め、最優秀若手選手賞を獲得。決勝での10代選手の得点は、1958年大会のブラジル代表ペレ(当時17)以来60年ぶり2人目。新スターがロシアで伝説を刻んだ。次回大会は22年11〜12月に中東のカタールで初開催される。
 黄金の紙吹雪が舞ったルジニキ競技場。フランスを頂点へ導いたエムバペは、W杯トロフィーを大事そうに抱え、キスをした。セレモニー中に突然、降り注いだ大雨も優勝を祝福するシャワーに変わる。あどけなさの残る19歳の笑顔は、新時代の到来を告げていた。「気持ちの面で準備をしっかりしてきた。自分のベストを見せられた」。7万8011人の大観衆を熱狂させたスピードスターは、憎らしいほど冷静だった。

 やはり本物だった。3―1の後半20分、左サイドからの中央でパスを受け、約25メートルの位置から右足を一閃(いっせん)。低弾道の軌道を描いたボールは左隅へ突き刺さった。クロアチアの戦意を喪失させるダメ押し弾は、1958年大会のブラジル代表ペレ以来、60年ぶり2人目となる決勝での10代選手の得点。試合後にはペレがSNSを更新した。「キリアンが私の記録に並んだのなら、私もスパイクを磨かないと」。サッカーの王様が“嫉妬”する、最大の賛辞だった。

 得点への鋭い嗅覚、圧倒的なスピード。決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦では無得点のメッシを横目に2得点。平均年齢25・57歳だった今大会のフランスは歴代優勝チームの中で70年大会のブラジルに次ぎ2番目の若さ。その象徴が、4得点を挙げた背番号10のエムバペだった。自国を20年ぶりの頂点へと導くだけでなく最優秀若手選手賞にも輝いて2冠を達成。ペレや皇帝ベッケンバウアーら歴代スターも獲得した銀色のトロフィーを、丁寧に抱えて帰りのバスに乗り込んだ。

 世界中に衝撃を与えた神童は、今大会16強で消えたメッシ、C・ロナウド(ポルトガル)という2大スターの後継者として期待がかかる。22年カタール大会、北米開催となる26年大会でも主役であり続けることは、宿命づけられた。それでもエムバペは「まだスタートにすぎない」と重圧を楽しむ余裕さえ見せた。2018年7月15日は、新王様誕生の日としてW杯の歴史に刻まれることになった。

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