メッシ残留も…バルサに残る3つの危機 地元紙「メッシが残った。危機も残った」

2020年09月06日 05:30

サッカー

メッシ残留も…バルサに残る3つの危機 地元紙「メッシが残った。危機も残った」
メッシ(AP) Photo By AP
 スペイン1部バルセロナに退団希望を通達していたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(33)が一転して残留を表明した。4日、サッカー専門サイト「GOAL」のインタビューで、退団を望んでいたことを初めて認めた上で、ジョゼップ・バルトメウ会長(57)が7億ユーロ(約882億円)の移籍金なしには退団を認めないことから断念したと説明。同会長を繰り返し批判して確執が表面化し、21年6月に満了する契約については明言しないなど、名門の“危機”はくすぶり続ける。
 世界に衝撃を与えた8月25日の“退団通告”から10日。沈黙を破ったメッシが本音をぶちまけた。「クラブにとどまる。理由は会長から退団する方法は移籍金7億ユーロを払う場合だけと言われたから。不可能だ」と明かし「裁判に訴える方法もあったが、バルサと法廷で争うことは絶対にない。愛するクラブだから」と説明した。

 納得の上での残留ではないという心情を吐露。これを受け一夜明けた地元紙マルカは「メッシが残った。危機も残った」と報じた。

 最大の危機は、メッシとバルトメウ会長の確執が表面化したこと。メッシは「この1年ずっと会長に退団したいと伝えてきた。会長は“シーズン終了後に退団か残留かを決めていい”と言っていたが結局、約束を守らなかった」と暴露し痛烈に批判した。メッシ残留を条件に辞任すると報じられていた会長はまた“約束”を破るのか。来年の会長選まで留任する場合は、エースとクラブトップが一触即発の状態が続く。

 2つ目の危機はメッシの契約問題。「退団を望んでいたとしても、バルサのために最善を尽くす」と語ったが、21年6月で満了する契約には言及しなかった。来年1月からは他クラブと交渉が可能。去就問題は必ず再燃することになる。

 そして3つ目の危機は高齢化が進むチーム改革の停滞。「もっと若い選手、新しい選手が必要」と訴えたメッシ自身の残留で若返りが遅れ、今夏にエースを売却すれば得られる可能性があった移籍金、代替選手は消えた。

 クーマン新監督の下、主な補強は30歳MFピャニッチの加入とMFコウチーニョの復帰だけで「新しい監督、新しい考えがあるのは良いが、チームが戦えるかは見てみないと」とメッシ。バルサで“ラストイヤー”となる可能性が高まるプロ17季目の初戦は27日、MF久保建英擁するビリャレアルと対戦する。

 【メッシ“退団騒動”の経過】
 ▼6月10日 メッシの契約で定められた、退団を希望する場合のクラブへの通告期限。
 ▼7月20日 バルセロナは3連覇を逃し2位確定で迎えた国内リーグ最終節でアラベスに5―0大勝。
 ▼8月14日 欧州CL準々決勝でバルセロナはBミュンヘン(ドイツ)に2―8と歴史的大敗。12季ぶりの無冠でシーズン終了。
 ▼18日 前日に解任されたセティエン監督の後任にクーマン新監督が就任。
 ▼25日 メッシが内容証明付きの文書で、正式に退団希望をクラブへ通達。
 ▼30日 メッシがPCR検査欠席。リーグがメッシは21年6月までバルセロナの契約下にあり、退団には移籍金(7億ユーロ)が必要とのクラブ側の見解を支持。
 ▼31日 バルセロナが新シーズンに向けて練習開始。メッシは欠席。
 ▼9月2日 メッシの代理人を務める父ホルヘ氏がバルセロナ入りし、クラブのバルトメウ会長と会談。その後スペインメディアに残留の可能性を示す。
 ▼5日 メッシが専門サイト「GOAL」のインタビューで残留明言。

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