神戸・イニエスタが帰ってくる!リハビリ見守った名トレーナーのリカルト氏「彼の意欲は凄かった」
2021年04月20日 05:30
サッカー
「痛めた箇所だけでなく、体全体のフィットネスを上げてきました。自分はこれまでのキャリアで、膝や筋肉系のケガからのリハビリを専門にやってきた。できるだけ自然に近い、自然の中でトレーニングをしていくのが自分の方法論です」
二人三脚でサポートしてきたリカルト氏は、独自のリハビリ論を明かした。屋外トレのGOサインを出してから、イニエスタは「自然」と向き合ってきた。時にはゴルフ場を走り、より回復してからは神戸の摩耶山を登ることもあった。
「自分の哲学として、リハビリから体を全体として捉え、いかに全体が調和した形で体を作り上げていくかを大事にしている。平たんではない自然の地形でトレーニングすることによって、最後にピッチへ戻ってボールを使ったトレーニングをする頃には、受傷した箇所だけでなく、体全体ができ上がった状態になる。両足の踏み込み方、走るフォーム。彼としては、フィットネスに自信を持てていると思います」
イニエスタとリカルト氏の出会いは08年。グアルディオラ監督の誘いを受け、リカルト氏がバルセロナのトップチームの理学療法士に2度目の就任をした時、背番号8は主力の1人として台頭していた。
「彼の素晴らしさは、動きやステップの柔軟性、そしてリズム。外から見て特別に速い印象はなくても、1つ2つのステップで簡単に相手を置き去りにできる。そのプレースタイルは、生まれ持った才能に近い、彼のプレーの特徴です」
その後はスペイン代表のフィジカルコーチなどを務めていた同氏だが、18年夏のイニエスタの移籍に伴い、神戸のスポーツパフォーマンスアドバイザーに就任した。日本に来て3シーズン目。今もなお、イニエスタは進化しているという。
「日本に適応したこともあり、正直、以前よりも今の方がフィジカル的な面で良い状態にある。もちろん、毎週のように中2日や中3日で試合を続けることは難しいが、彼の中で“出られる試合は全部出たい”という感覚は変わっていない」
世界的名手は、いつまでピッチに立ち続けられるのか。取材の最後に、リカルト氏は明るい見通しも明かした。
「具体的にあと何年というのは難しいけど、まだまだ彼がトップレベルでプレーできる余地は残っていると思います。彼の中にサッカーに対するモチベーションやワクワク感がある限りは。実際、今回のリハビリでは朝の7時に出発することもあったけど、彼の意欲は凄かった。ワクワク感を持ち続ける限り、まだまだ高いレベルでプレーできる」
調整は順調で、4月下旬から5月初旬にも復帰できる見通しだ。来月11日に37歳の誕生日を迎えるイニエスタ。復活の日は近い。
◆エミリ・リカルト 1961年1月30日生まれ、スペインのカタルーニャ州にあるルビー出身の60歳。理学療法士として約30年のキャリアを誇り、08~13年にはバルセロナに在籍。その後はスペイン代表スタッフ、イニエスタの専属トレーナーなどを務め、18年夏に神戸へ加入した。
【イニエスタの経過】
▼負傷 カタールで開催された昨年12月のACLで、決勝トーナメント1回戦の上海上港戦でロングシュートを放った際に右大腿前部を負傷。3日後の準々決勝・水原戦で途中出場し、PK戦で1番手のキッカーとして成功させるも、そのキックの際に痛みが再発。
▼手術 カタールで「右大腿直筋近位部腱断裂」と診断され、その後にスペインへ向かい、12月16日にバルセロナ市内で手術を行ったことを発表。全治4カ月と診断された。
▼リハビリ 術後に日本へと戻りリハビリをスタート。松葉づえを使った自宅での歩行などから開始。
▼練習合流 今月9日から全体練習に部分合流。戦列復帰に向け、三浦淳寛監督は「毎日、状態を確認して、彼とコミュニケーションを取りながら進めていきたい」と説明。
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