U24日本 1次リーグ突破へ王手 メキシコの弱点見抜いた堂安と久保の信頼感から生まれた先制弾
2021年07月26日 05:30
サッカー
相手の左SBは普段は中盤という事前情報があった。背後への対処が弱点と見抜いた堂安は、吉田や酒井に「最初の1分は背後に蹴ってくれ」と伝えていた。その通りに酒井の縦パスに抜け出してのアシストに「まさかあんなにうまくいくとは思わなかった」。中央で受けた久保も秀逸だった。DFと競り合いながら滑り込み、「あのままインサイドで打ったら右に流れてしまうな」と瞬時にアウトサイドでのシュートを選択。「凄くいいGKですけど、僕もスペインで凄くいいGKとやっている」とW杯4大会連続出場の36歳オチョアから鮮やかに2戦連続得点を奪った。
先制から5分後に相馬が倒されてVAR判定で得たPKをど真ん中に蹴り込んだ堂安は「もし相手が真ん中に立っていれば相手の度胸勝ち。度胸試しなら負けないぞと思いながら(打った)」と強心臓ぶりも発揮。初戦前から「2人で引っ張っていこう」と言い合った2人が有言実行のアベック弾を決めた。
「これだけ“チームのために”というのも今までの人生で考えたことがない」と堂安が言えば、次のフランス戦で日本男子で五輪史上初の3戦連発が懸かる久保も「傲慢(ごうまん)にならずにチームの勝ちだけを目指していきたい」。抜きんでた個の力を持ちながらチームプレーに徹する2人の至宝が、金ロードを突き進む。(波多野 詩菜)
○…日本の連勝スタートは00、12年に次ぎ3度目。現方式となった96年以降、1次Lで連勝発進した13チームは全て決勝トーナメントに進出しており、突破率は100%。
○…久保が初戦から2戦連発。日本では64年杉山隆一、16年浅野拓磨に次ぎ3人目。
▽日本の決勝トーナメント進出条件 1次リーグは各組上位2カ国が決勝Tに進出する。日本はフランスに○か△ならA組1位での突破が決定。●の場合でもメキシコ△●で突破。メキシコ○の場合は3チームが勝ち点6で並ぶが、日本が1点差での●ならフランスを得失点差で上回るため2位以内が決まる。