【蹴トピ】町田 参入で急増 保持率度外視のロングスロー

2024年09月25日 06:00

サッカー

【蹴トピ】町田 参入で急増 保持率度外視のロングスロー
今季チーム別ロングスロー Photo By スポニチ
 今季J1でロングスローが急速に浸透している。初参入で優勝を争う町田を筆頭に、半数以上のチームが取り入れている。話題を集める“新戦術”にまつわる数字と傾向をまとめた。(記録課・矢吹 大祐)
 Jリーグ公認データ「J STATS」はロングスローを「相手陣ペナルティーエリア内、ゴールエリアの幅を延長したおよそ正方形のエリアにノーバウンドで届いたスローイン」と定義する。自陣から大きく陣地回復を狙うものなどは含まず、ゴールを狙うスローに限定される。
 特殊な戦術のため使うチームは限られ、リーグ全体での回数はシーズンによってばらつきがある。ここ2年は100回以下だったが、今季はすでに229回。J1の20チームのうち13チームが記録している。チーム別では最多の町田が約半分にあたる114回。大きく開いて柏の27回、神戸の25回と続く。

 ロングスローを多用するチームには共通点がある。上位9チームの今季ボール保持率は全て50%以下。堅実につなぎゴールを目指す選択肢もある中で、保持にこだわらないチームほどゴール前で一気に勝負をかける。ロングスローの成功率(味方が最初に触る確率)はわずか21%程度。それでもCKなどと比べ勢いがなくはね返しづらい、こぼれ球から2次攻撃が続く、相手攻撃選手を守備に引かせられるなどメリットは多い。

 選手別では町田のサイドバックDF林が71回で断トツ。自身の逆サイドも含め、何度でも果敢に投げ続ける。2位以下は同じ町田のDF鈴木、神戸DF初瀬らが続く。昨季所属した町田でJ2最多99回を投げた東京VのMF翁長も、今季10回で7位にランクイン。チームの決まりごととは別に、投げられる選手がいればオプションとして使うという考え方もありそうだ。

 町田は今月も14日の福岡戦で、ロングスローから先制点を奪い勝利につなげた。セットプレーから得点20はリーグ2位タイ、スローインから得点8は2位鳥栖の4の倍に上る。ロングスローと見せて、近くの選手からつなぎゴールを陥れたパターンもある。今節は首位広島と同勝ち点の天王山。ロングスローを一切使わない広島に“伝家の宝刀”がさく裂するか。

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