小泉進次郎氏「改革を加速」どころか世襲改革は加速させず?他候補は“政治資金引き継ぎ対策”披露したのに

2024年09月23日 04:40

社会

小泉進次郎氏「改革を加速」どころか世襲改革は加速させず?他候補は“政治資金引き継ぎ対策”披露したのに
自民党総裁選の政策討論会で発言する小泉元環境相 Photo By 共同
 自民党総裁選の候補者が22日、NHK番組に出演し、国会議員の世襲の是非を巡り議論した。候補者9人のうち、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長の5人が世襲議員。小泉、河野両氏は、父親が総裁の座に就いている。議員の世襲問題は国民の関心が高く、今回の総裁選でも注目ポイントの一つになっている。
 司会が「野党から改めて国会議員の世襲について批判が出ている」とテーマを提示し、選挙戦で度々父・純一郎元首相の話題が出ている小泉氏にまず意見を求めた。小泉氏は「15年前、初めて選挙に出たときから言われ続けてきた。退路を断って、小選挙区の単独立候補で比例区の重複立候補はしない、公明党の推薦も受けない、この2つをずっと続けてきた」と返答。「まさに一発勝負でダメなら退場。ありがたいことに選び続けていただいている」と付け加えた。具体的な対策案はなく、過去15年間の“思い出話”に終始。またも“中身のなさ”をさらけ出してしまった。

 世襲議員で特に問題視されているのが、親族が政治団体に残した資金をそのまま非課税で引き継げる点。相続税回避の“隠れみの”になるとの指摘がある。小泉氏以外の世襲候補は対策を打ち出し、河野氏は「議員が引退したらその政治資金団体に残った金は国庫に返納する。後継の議員は新しい政治資金団体をつくる」とし、石破氏は「政治資金団体を引き継ぐことをやめるとか、一つ一つやっていかなければならない」と訴えた。石川県の豪雨対策にあたっている林氏の代理で出席した田村憲久元厚生労働相も同様の見解を述べた。世襲ではない高市氏も「親とは別の選挙区から出るとか、政治資金管理団体は継承しないとか、そういった工夫はできる」と具体策を挙げた。

 小泉氏は、逓信大臣を務めた曽祖父・小泉又次郎から数えて4代目。純一郎氏から神奈川11区を引き継いだ2008年以降、約5000万円が純一郎氏の政治団体からもたらされたとも言われている。総裁選出馬会見では「改革を圧倒的に加速できるリーダーを」と力説していた小泉氏。世襲問題への対応は加速どころか、アクセルに足すらかけていない状態だ。

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