ブレイキングダウン元代表・板垣雄吾容疑者ら男女3人を詐欺容疑で逮捕 80億円を集金か

2024年09月26日 04:45

社会

ブレイキングダウン元代表・板垣雄吾容疑者ら男女3人を詐欺容疑で逮捕 80億円を集金か
詐欺の疑いで逮捕された格闘技団体ブレイキングダウンの元代表・板垣雄吾容疑者(経営する「レディオブック」株式会社の公式SNSから)
 中古スマートフォンの輸出事業に投資すれば利益が得られると持ちかけ計約6億3000万円をだまし取ったとして、警視庁暴力団対策課が詐欺の疑いで、東京都渋谷区、格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」運営会社の元代表板垣雄吾容疑者(44)ら男女3人を逮捕していたことが25日、警視庁への取材で分かった。板垣容疑者はブレイキングダウン設立メンバーの一人で、YUGOの名前で選手として参加したこともある。
 暴対課によると、実際にスマホの仕入れや販売をした形跡は確認されておらず、事業に実態はなかった。ブレイキングダウンの知名度も利用し総額80億円ほどを集めたとみられる。一部は返金に応じており同課が被害額の確認を進めている。

 同課は、板垣容疑者の運営する会社「レディオブック」が2020~22年ごろ、イタリアの「フェラーリ社」のF1チームと広告スポンサー契約を結んでいたことを悪用したとみている。出資者に対し、フェラーリ社にスマホを売る事業があるとうそを言い「国内で安く仕入れ高値で転売する。2カ月後に出資額の7、8%を上乗せして返済できる」と説明していたという。

 他に逮捕したのは、新宿区の会社役員田丸隼也容疑者(35)と渋谷区の会社員堀川美貴容疑者(30)。22年に会社役員2人から計約5億5000万円をだまし取った詐欺容疑で3日に3人を逮捕。同年に別の会社役員からも約8000万円を詐取した疑いで24日に再逮捕した。暴対課は認否を明らかにしていない。

 ブレイキングダウンは1分間の1ラウンドで勝敗を決める格闘技イベント。運営会社は公式SNSに「一切の資本関係や業務提携を保持しておらず、経営や事業活動に板垣氏の影響はございません」と投稿した。

 ≪板垣容疑者とは≫青森県弘前市出身の板垣容疑者は大学卒業後、格闘家としてデビューしたがその後、実業家に転身。iPhoneの修理事業などをはじめ、さまざまなブランドをプロデュースする会社「レディオブック」を起業した。ブレイキングダウン立ち上げ後は、YouTube出演や会見など表舞台に立つことも増え、ラジオのレギュラー番組を持つなど知名度も上がっていった。知人は「礼儀正しくて物腰が柔らかい。ビジネスは感覚派。イケイケで周囲は振り回されがちなところもあった」と明かした。座右の銘は「やりたくないことはやらなくていい」だと著書に記している。

 格闘関係者は「格闘家だったことが一つのプライド。見た目と体づくりを気にしていて、会社にプロテインを常備し、お酒も飲まなかった」と回想。「事業がうまくいかない時代に支えてもらった妻と子供を大事にしていたので、まさか詐欺をしていたとは…」と驚いていた。


 ≪出場者の逮捕続出≫
 ▽BreakingDown 2021年にスタート。YouTubeで配信される。現在は総合格闘家の朝倉未来(32)が代表を務める。ボクシング、空手などの格闘技経験者のほか、経験のない人もオーディションで参加可能。公式YouTubeチャンネルの総再生回数は約1億回。再生100万回超えの動画も多数。参加に当たって過去の経歴を問わないことが特徴。脅迫や傷害の疑いで出場者の逮捕が続出している。

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