斎藤知事、2時間超えの会見でも主張曲げず 「大きな責任」感じても「道義的責任」は濁す

2024年09月26日 17:50

社会

斎藤知事、2時間超えの会見でも主張曲げず 「大きな責任」感じても「道義的責任」は濁す
県庁で会見を開き、兵庫県知事を失職して再出馬すると発表した斎藤元彦知事 Photo By スポニチ
 兵庫県議会で不信任決議を受けた斎藤元彦知事が26日、県庁で記者会見を開き、30日付で自動失職した上で、今後の出直し選挙に出馬する意向を表明した。
 午後3時に始まった会見は2時間17分で打ち切られた。続けるよう声を上げる記者もいる中、一礼をして退室した。

 県政を混乱させた反省と謝意を示しつつ、高校生の手紙に励まされ、出直し選出馬への覚悟を固めたという説明から始まった会見。
記者からは「告発文書」問題への責任について問われた。

 告発文書への対応について斎藤氏は「問題はなかった」とこれまでと同様の主張を繰り返し、出直し選への意欲と、これまでの知事としての尽力、成果をアピールした。

 なぜ辞職ではなく失職か、との質問も相次いだ。告発者の元県民局長が亡くなる悲劇に発展した文書問題。斎藤知事は道義的責任を負うのであれば辞職、という考えがあったことを示した上で、「辞職の選択肢はなかった」と明言。自ら辞めるのではなく、自らの続けたい意思に反して職を失ってしまうという形を譲れなかったのか、あくまで失職にこだわった。

 道義的責任は認めないということか、という質問に「大きな責任は感じる」と抽象的な言い回しで、道義的責任への思いを濁し続けた。自身の責任の取り方はあくまで「知事の仕事を続けること」と強調した。

 職員や県議に対する態度は「生まれ変わって改める」と宣言したものの、机をたたいたり、付箋を投げた行為が「知事が職を辞するまでのことなのか」と、不信任決議への不満を吐露。思わぬ本音も飛び出した。

 結局、失職と出直し選出馬へ大義や文書問題へのケジメの付け方が明快に伝わらないまま、会見は終了した。

 不信任決議は19日の議会開会日に全会一致で可決。斎藤氏は地方自治法に基づき可決から10日となる29日までに解散しなければ自動失職する。50日以内に知事選が実施される。

 一連の問題は県西播磨県民局長だった男性が3月、パワハラ疑惑などを告発する文書を作り報道機関などに配ったのが発端となった。県の公益通報窓口にも通報したが、県は内部調査を進め文書を誹謗中傷と認定。男性は停職3カ月の処分を受け、7月に死亡した。

 疑惑を検証する県議会の調査特別委員会(百条委員会)では、通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法に違反するとの指摘が噴出。尋問に応じた職員らが斎藤氏のパワハラや贈答品受領について証言した。

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