カトパン突撃 フェンシング東姉妹 世界一近い最強、最愛ライバル

2017年05月30日 11:30

フェンシング

カトパン突撃 フェンシング東姉妹 世界一近い最強、最愛ライバル
東姉妹とポーズを決める加藤綾子。左が妹・晟良、右が姉・莉央 Photo By スポニチ
 【カトパン突撃!! 】 東京五輪で活躍が期待される美人姉妹がいる。フェンシング女子フルーレで、姉・東莉央(18=日体大1年)は国内ランキング2位、妹・晟良(せら、17=和歌山北高3年)は1位。一つ屋根の下で育った最愛で最強のライバル同士。フリーアナウンサーの加藤綾子(32)が互いの思いを聞いた。
 ――ユニホーム姿がりりしい!ジャージー着ている時とは雰囲気が変わりますね。

 姉・莉央(以下、莉)「やっぱり着替えると気持ちが入ります」

 ――マスクかぶってみてもいいですか?うわっ!凄い閉塞(へいそく)感。一生ここから出られない感じ。

 2人「アハハ(爆笑)」

 妹・晟良(以下、晟)「そういう表現を聞いたの初めてかも」

 ――でも視界はいい。この銀色の、喉の部分は狙うポイント?

 晟「はい、突かれたらオエッてなります。たまに血とか出ます」

 ――えっホントに!?剣も結構重いんですね。

 晟「初めて持った人は、だいたい軽いって言いますよ」

 ――私、筋肉なくて(笑い)。

 2人「腕とか触っていいですか?うわっ!細っ!カワイイ!」

 ――ユニホームの上に着るメタルジャケットって、もっと分厚いかと思っていました。薄いんですね。突かれたとき痛くないですか?

 莉「ホンマ痛いです。特に外国人選手は力が強いし」

 ――だから胸にプラスチック製の硬いパッドを着けてるんですね。

 莉「パッドがないと、女子はえらいこっちゃです(笑い)」

 ――そこに外国人選手はガーン!とくる。

 晟「肋骨を折る人もいます。加藤さんほど細かったら、ホント折れちゃうと思いますよ」

 ――折れるどころか瞬殺です(笑い)。そんなハードな戦いをするのがピスト(試合場)。実際に見ると長いですね。

 莉「14メートルあります」

 ――下がれるのは後ろのラインまで。相手の勢いに押されることも?

 晟「思わず下がってしまって、やられるときもあります」

 ――海外の選手は大きいし怖くないですか?

 莉「最初は怖かったです。同じくらいの身長の選手はあまりいないので見上げてます。威圧感も凄い」

 ――2人とも小柄ですもんね。それで世界と戦っている。普段の練習はどんなことをしてるんですか?

 莉「一番練習量を割くのは試合形式のファイティングです。自然と筋力もつきますし」

 ――腕を見せてもらっていいですか。あっ、右が太い。左と全然違う!ずっと剣を持ちっぱなしですもんね。

 晟「同じように右脚も筋肉がヤバくて。洋服を買いに行って、スキニーパンツとか選ぶとき困ります」

 莉「どっちに合わせていいか分からない。右に合わせると左はブカブカ、左に合わせるとめっちゃキツキツになる」

 ――それだけ練習してきた証、努力の表れですね。2人にとってフェンシングの魅力は?

 莉「やっぱり成績を残していると楽しくなってくるんで」

 晟「剣で相手を突いたらストレス発散になる(笑い)」

 ――小学生で競技を始めたきっかけは、インターハイ選手だったお母さんの影響だそうですね。

 莉「はい。それで興味を持って、最初は週1で練習に行ってたんですけど“もっと行きたいなあ”って2人で話して毎日通うようになりました」

 ――お母さんの指導もあって、実績を重ねてきましたが辞めたいと思ったことは?

 莉「あります」

 晟「自分はないです」

 ――莉央選手はなぜ辞めたいと?

 莉「中学や高校に上がる時に、周りの友達が遊んでいるのがうらやましくて」

 ――いつも練習、練習ですもんね。

 莉「小学生の時に“毎日行きたい”って言ってしまったことを後悔しました(笑い)」

 ――晟良選手はなかった?

 晟「別に遊びたいとは思わなかった。お母さんの夢がオリンピックに行くことだったので、その分、私が行ってあげたいと。それを目標としていたので、辞めたらダメって思ってました」

 ――お互いのプレーの良さは、どこだと思っていますか?

 晟「お姉ちゃんは守備がうまい」

 莉「妹の良さはアタックです」

 ――タイプが全く違うんですね。2人で対戦するときは、どういう気持ち?

 莉「やっぱり負けたくない」

 晟「勝ってやるぞっていう気持ちです」

 ――年齢が近いからライバル心も強い。

 莉「戦うのは嫌です。でも、年子なのでずっとカテゴリーが同じで」

 ――周りも姉妹だから注目する。

 莉「めっちゃ言われたり見られたりします。比べられたりもするし」

 ――2人の対戦は、お母さんにとっても複雑でしょうね。

 莉「お母さんからは、決勝で当たればいいって言われます。どっちかが優勝なんで」

 ――なるほど(笑い)。ほかに何か言われますか?

 莉「腐った試合だけはすんなって言われます」

 晟「どっちかが諦めたりしたら腐った試合になるので」

 莉「とにかく最後まで諦めるなと」

 ――さすが元選手のお母さん、アドバイスがとてもいい!ちなみにフェンシング以外に興味があることは?

 莉「西野カナさんと少女漫画が好きです」

 晟「気持ち悪いほど(笑い)」

 莉「うるさい!」

 ――晟良選手は?

 晟「(サッカー選手の)ネイマールが大好きなんです。会ったことありますか?」

 ――ありますよ。

 晟「きゃあ!うそ!スゴイ!」

 ――3年後の東京五輪は大きな目標ですよね。

 莉「個人戦と団体戦、どっちも出場できるようにしたいです」

 晟「個人戦で金色のメダルを獲りたいです」

 ――その後の将来について考えていることはありますか

 莉「トレーナーになりたいです。支える側に。そういうの好きです」

 晟「フェンシングはある程度続けて、満足したら海外に住んで楽しみたい。スペインとか!」

 莉「おまえ、ネイマールに会いたいだけやろ(笑い)」

 ――どこまでもタイプが違う2人ですね(笑い)。

 ◆東 莉央(あずま・りお)1998年(平10)7月27日生まれの18歳。和歌山県出身。小学5年から競技を始める。16年の全日本選手権で女子種目では高校生で初の準優勝。8月のユニバーシアード夏季大会(台湾)日本代表。身長1メートル58。

 ◆東 晟良(あずま・せら)1999年(平11)8月20日生まれの17歳。和歌山県出身。小学4年から競技を始める。今年のアジアジュニア・カデ選手権で金メダルを獲得。6月のアジア選手権(香港)に選出。身長1メートル57。

 ◆フェンシング フルーレ、エペ、サーブルの3種目があり使用する剣、ルールが異なる。試合はピストと呼ばれる細長い台の上で行われる。フルーレは突きのみで、有効面は頭部、腕と脚を除く胴体の両面。2008年の北京五輪で男子フルーレ個人の太田雄貴が日本人初の銀メダル獲得。12年のロンドン五輪ではフルーレ男子団体で日本が銀メダルに輝いた。東京五輪の競技会場は千葉・幕張メッセ。

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