東京五輪あと1000日 桐生の誓い 夢舞台決勝まで「記録更新し続けたい」

2017年10月28日 11:00

陸上

東京五輪あと1000日 桐生の誓い 夢舞台決勝まで「記録更新し続けたい」
東京五輪でも10秒00突破の意気込みを示す桐生 Photo By スポニチ
 陸上男子100メートルで日本人で初めてとなる9秒台をマークした桐生祥秀(21=東洋大)が東京五輪まで残り1000日を前にスポニチ本紙のインタビューに応じた。目標に定める夢舞台の決勝まで、記録を更新し続ける決意を語った。
 東京五輪の招致が決まったのは2013年。10秒01を出した高校3年の時だった。当時、桐生は「24歳やな!めっちゃええ感じの時や〜」と7年後を思い描いていた。それから約1500日が経過。高校生だった少年は大学4年生の青年となった。今季は日本学生対校選手権(福井)で9秒台をマークするなど、日本短距離界のトップへと成長したスプリンターは1000日を前に何を思うのか。

 「もう東京五輪まで1000日前ですか、早いですね。あと3年と言われると、まだちょっとあるかなと思うけど、1000日を切ると早いですね。9秒台を出して世界も変わった。ここから1000日、ずっと良かったらいいけど、悪いことがあってもトータル含めて変わっていければいい。五輪まで、記録更新し続けたい」

 16年リオデジャネイロ五輪、17年ロンドン世界選手権でリレーメンバーとしてメダルを獲得。2つの世界大会で結果を残したからこそ、改めて五輪の偉大さや注目度に気が付いた。

 「1カ月前にロンドンでメダルを獲っているのに、街で一般の人からは“リオのメダル良かったね”と言われる(笑い)。世界選手権と五輪は正直一緒くらいかなと思っていたけれど、人の記憶に残っているのはやはり五輪なんだなあ、凄いなと感じた。それも含めて東京の100メートルは違うんだろうな。やはり五輪で結果を出さないといけないと思ったのがこの4年間です」

 だが、個人としては世界大会で、結果を出せていないというもどかしさもある。今年の日本選手権では「足をすくわれた感じ」という4位で個人のロンドン切符を逃した。だからこそ、これからの残り1000日は逆算して、「ホップ・ステップ・ジャンプ」と1年ごと3段階の行程を描く。まず来年は日本、そしてアジアのタイトルを視野に入れる。

 「18年はもちろん日本選手権を重視していきたい。(今年は)日本選手権後のレースは10秒0台で走れていたので、調整ミスが今年の一番の反省点。日本で勝ちきるのが大事。アジア大会(インドネシア)は出たことがないのでイメージできないが、9秒91のフェミ・オグノデ(カタール)も出る。その中で勝ちたい」

 東京五輪前年の19年にはドーハ世界選手権が開催される。まだ大舞台で記録を残せていないことは自覚しているだけに、世界大会でファイナリストという結果を残して20年につなげるつもりだ。

 「今年に関していえば日本選手権を除けば成功している。1、2年前はもっと波が大きかった。(波は)2年後にはなくなっていると思うし、なくさなければいけない。今は決勝で走りたい気持ちが強い。ドーハで準決勝どまりで東京につなげる気はない、しっかり決勝にいって東京につなげたい」

 そして、20年。もちろん集大成として五輪の決勝進出を見据える。今後はウサイン・ボルト(ジャマイカ)のような200メートルも走れる選手を目指し、スケールアップを図る。

 「世界のトップはどちらもできる。いろんな大会で自信をつけたら100メートル、200メートル、400メートルリレーはやりたい。今後は環境も変わるし、欧州の大会で今日は100メートル、明日は200メートルという転戦もできる。200メートルは20秒切り、リアリティーないですけど(笑い)」

 ◆桐生 祥秀(きりゅう・よしひで)1995年(平7)12月15日、滋賀県彦根市生まれの21歳。小学校ではサッカー、兄の影響で中学から陸上を始めた。京都・洛南高から東洋大。16年リオ五輪の男子400メートルリレー銀メダル。1メートル76、70キロ。

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