国枝慎吾が今明かす パラ3連覇逃した舞台裏…妻だけに語った本音
2017年11月06日 14:55
テニス
「(手術した)右肘は万全です」
大会前、メディアの前に表れた国枝はいつもと同じ強気な発言を繰り返していた。国枝は20代前半に世界のトップをうかがっていた頃から「オレは最強だ」と書いたテープをラケットに張って、自らに言い聞かせてきたほど。「自分は強気な発言でプレッシャーをかけるタイプ。そうやって奮い立たせてきた」。心の強さは国枝の最大の強みだった。
だが、そんな国枝でも、大会前の自分は戦う準備が十分にできていないことはわかっていた。15年秋頃から痛みを感じるようになった右肘を大会5カ月前の16年4月に手術。その後も痛みが出て、コンディションは上がらないまま大会を迎えた。当時の発言について「メディアの前ではウソをつくこともあります。ライバルにも伝わりますし、(リオの前は)本心と違うことを言っていた」と勝負師の本音を明かした。
そんな国枝がただ一人、本音を明かしていたのが妻・愛さんだったという。
「家では弱気なことを言っていた。どこかで吐き出さないと、プレッシャーでやられそうだった。弱い自分を見せられる家が僕にとっては救いだった」。
勝たなければいけない重圧や負ける怖さなどと闘い続けた国枝が何とか心のバランスを保って、今ある最大限の力を発揮することに専心したリオ・パラリンピック。シングルスはベスト8に終わったが、斉田悟司と組んだダブルスでは銅メダルを獲得した。「今回は妻に頼った。(愛さんがいなければ)銅メダルもなかったと思う」と振り返った。
国枝は手術後、まだ4大大会の優勝はなく、完全に復調したわけではない。だが、現在車いすやフォームを改良中で、20年東京パラリンピックに向けて「まだまだ進化できる実感がある」と手応えを得ているという。「この調子でいけば、20年の金メダルは僕だな」と強気に金メダル獲得を宣言し、「ウソ発言じゃない。本気発言です」と付け加えた。
自己暗示かもしれない。でも、36歳で迎える東京パラで本気で返り咲きを狙っているのは間違いない。(柳田 博)
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