卓球男子の水谷隼(28=木下グループ)が7日、欧州遠征出発前に取材に応じた。ワールドツアー、ドイツ・オープンは「気楽に臨みたい」と話した水谷だが、シングルスで10度目の優勝が懸かる来年1月の全日本選手権(東京)については「全日本で結果を残せなかったら、東京五輪に向けて赤信号が灯るんじゃないかと思う」と強い危機感を口にした。
世界最強の中国選手以外には負けない確かな手応えがありながら、格下に敗れる場面も多い。「気持ちが上がらなかったり体が動かなかったり、試合になってみないと分からない」と言う。原因は海外プロリーグやワールドツアーなどによる過密スケジュール。「試合が多くて、なかなかどれかに絞れない。消化する感じになっている」と苦しい胸の内を明かした。
そんな中でも、全日本選手権は「すごく意識している大会」と言う。だからこそ、東京五輪に向けて、日本一という結果が必要になる。世界選手権で敗れた張本智和(14=エリートアカデミー)が、最大のライバル。「張本も上位に加わってくるだろうし、自分の最高のパフォーマンスを彼との試合で出せるようにしたい」と気合を入れていた。